
* * * 「給与に見合った業務量とは思えません」 西日本の自治体で非正規職員として働く40代の男性は言う。 国立大学の大学院を修了したが、折しも就職氷河期。正社員への道はなく、様々な職場で雇い止めを繰り返しながら働いた。前職は新型コロナウイルス感染拡大の影響で雇い止めとなり、昨年5月から県の出先機関である今の職場で働く。 ■休日出勤でも月13万円 仕事はコロナの感染症対策業務。担当する地区約20万人のコロナ患者の発生届の受理、入院勧告、患者情報シートの作成、唾液などの検体搬入、マスクやフェースシールドなどの物質調達──。全て1人で行う。感染者が多く出たときは休日出勤も命じられる。それでも手取りは月13万円ほど。年収200万円を切る。年金生活の70代の母親と暮らし、節約しながら何とか生活できていると話す。 「しかも、コロナが収束すると、また雇い止めに遭うんじゃないかと心配です」 公務員と言えば、安定した収入に安定した雇用の代名詞だった。だが、今や地方公務員の4割近くが非正規だ。総務省の調査(2020年)によれば、全国の自治体で働く任用期間6カ月未満を含む非正規公務員は約112万人に上る。 「特に20年から非正規公務員のほとんどが会計年度任用職員という枠で働くようになったことで、雇用が不安定化しました」 と指摘するのは、非正規公務員や研究者らでつくる市民団体「公務非正規女性全国ネットワーク(はむねっと)」副代表の瀬山紀子さんだ。 会計年度任用職員とは、昨年4月にスタートした新制度。官製ワーキングプアとも呼ばれた非正規公務員の処遇改善を目的に、期末手当(ボーナス)などが支払われるようになった。 「だけど一方で、この制度以降、1年ごとの契約更新が厳格化し、非正規公務員は不安定な就労に置かれ、長期的な展望も持てなくなりました」(瀬山さん)
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