「これから『つみたてNISA』をスタートするなら、『アクティブ型投信』よりも『インデックス型投信』のほうがおすすめ!」。「つみたてNISA」や投資信託を解説する本やウェブサイトでは、そう書かれていることが多いようです。
でも、本当にアクティブ型投信に投資をしてはダメなのでしょうか。今回は、つみたてNISAでアクティブ型投信を買ってはいけないのか、みなさんと一緒に考えていきたいと思います。
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「インデックス型」と「アクティブ型」の違いとは?
「アクティブ型投信」の基本をしっておこう!
投資信託は、運用方法の違いによって、「インデックス型」と「アクティブ型」に分けられます。
インデックス型投信は、日本株の「日経平均株価」や米国株の「S&P500」などといった指標(ベンチマーク)と同じ値動きを目指す投資信託です。商品によって、どの指標に連動するのかは異なります。インデックス型の場合、指標が上昇すればその投資信託も一緒に値上がりしますし、逆に指数が下落すればその投資信託も一緒に値下がりすることになります。
それに対して、アクティブ型投信は、ベンチマークを上回る値動きを目指したり、ベンチマークを設けずに、「年10%のリターン」などといった“絶対収益”を目指したりする投資信託です。
アクティブ型投信では、運用会社の担当が会社や市場を分析し、有望と思われるところに投資します。ですから、アクティブ型投信の場合、指標を超えるリターンを上げたり、指標が下落したときでも、同じように値下がりすることを防いだりできる可能性があります。その一方で、指標ほど値上がりしなかったり、指標よりも値下がりしたりする可能性もあるのがアクティブ型投信です。
通常、インデックス型投信よりもアクティブ型投信のほうが、リスク(リターンのぶれ幅)が大きくなる傾向があります。
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信託報酬(コスト)の安さでは
インデックス型投信に軍配が上がるが……
投資信託の保有中にかかるコストである「信託報酬」については、一般的に、インデックス型投信のほうが安い場合が多いようです。インデックス型投信は投資する銘柄が機械的に決まるのに対し、アクティブ型投信は運用会社の担当者が会社や市場を分析して投資先を決めたり、売買タイミングを判断したりするためです。
そこで、「低コストだから」という理由で「インデックス型投信がおすすめ」とされることがよくあります。確かに、信託報酬などの手数料を差し引いた後の利益(コスト控除後リターン)が、インデックス型投信に勝てないアクティブ型投信が少なくないのも事実です。
ただし、後述しますが、アクティブ型投信の中には、信託報酬などの保有コストを考慮した上でも、大きなリターンをあげている商品もあるのです。「アクティブ型投信だから」という理由だけで、そんな優れた投資信託をあっさり投資の対象から除外してしまうのは、ちょっともったいないですよね。ですから筆者は、基本的には「つみたてNISAでアクティブ型投信を買ってもいい」と考えます。
ただし、「これから初めて資産運用(つみたてNISA)を始める」という方には、アクティブ型投信はおすすめしません。まずは比較的リスクやコストの低いインデックス型・バランス型の投資信託にコツコツ投資して、堅実に資産を増やすのが良いと考えるからです。
基本的に、アクティブ型投信を購入してもいいのは、すでにある程度、資産があるという人です。例えば、下の図のような「コア・サテライト戦略」を実践するなど、自分なりの資産形成の方針を持っていて、“コア資産”の部分をしっかりと築いている人です。
●「コア・サテライト戦略」とは?
上図の「コア・サテライト戦略」では自分の資産を、安定的に運用する「コア」と、積極的に運用する「サテライト」とに分けて運用を行います。コア部分では総資産の7~9割、サテライト部分では残りの1~3割を運用するイメージです。そうすることで、コア部分でしっかりとお金を守りながら、サテライト部分で積極的にお金を増やしに行ける、というわけです。
このコア部分の資産として、「iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)」や課税口座でインデックス型・バランス型投信に投資し、資産が用意できているのであれば、つみたてNISAでは、利益の積み増しを狙うべくアクティブ型投信を購入したり、インデックス型・アクティブ型を組み合わせたりして購入してもいいでしょう。
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「つみたてNISA」で購入できる
アクティブ型投信の賢い選び方とは?
「つみたてNISA」で購入できる投資信託・ETFの商品は199本あります(2021年9月10日時点)。そのうち、アクティブ型投信は全部で19本しかありません。とはいえ、いずれも金融庁が設けた基準である
・純資産総額50億円以上
・運用開始から5年以上経過
・運用期間中、3分の2以上で資金流入している
・販売手数料無料(ノーロード)
・信託報酬が税抜1.0%以下(国内型)・1.5%以下(国際型)
をクリアした商品ですので、長期分散投資に適した投資信託と言えます。
とはいえ、その中からよりよい商品を見つけるために、以下の点を確認するといいでしょう。
「つみたてNISA」のアクティブ型投信の選び方①
投資している資産と地域をチェック!
まず、そのアクティブ型投信が投資している資産や地域をチェックしましょう。投資先が同じような商品なら、シャープレシオを比較してみます。シャープレシオとは、同程度のリスクをとっている中で、効率よくリターンを得られているかを確認する指標。シャープレシオは数値が高いほど運用の効率がいいことを示します。
「つみたてNISA」のアクティブ型投信の選び方②
運用コストを差し引いた運用実績をチェック!
アクティブ型投信で一番大切なのは、運用実績がいいことです。長期(10年間など)の運用実績を見て、お金を増やせているのかチェックしましょう。
つみたてNISAで購入できるアクティブ型投信は、一般的なアクティブ型投信と比べて手数料が低く設定されているものが選ばれていますが、それでもインデックス型投信よりは手数料は高めです。そこで、アクティブ型投信には手数料を大きく超える高い運用実績を期待したいところです。
「つみたてNISA」のアクティブ型投信の選び方③
顧客を大事にしている運用会社かをチェック!
アクティブ型投信の運用会社が、顧客を大事にしているかもチェックしましょう。最近は、投資哲学を理解してもらうために、セミナー、ニュースレター、YouTubeなど、さまざまなメディアで情報発信している運用会社もあります。
つみたてNISAは、最長で20年間非課税で運用できる制度です。新規に投資できる期間は2042年まで。ということは、2042年に始めた投資は2061年まで運用益非課税で運用ができるわけです。その場合、今から考えると40年と、長いお付き合いになる可能性もあります。自分のお金を安心して預けられるか、運用会社もよく確認しましょう。
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「つみたてNISA」のおすすめアクティブ型投信を紹介!
以上の点を踏まえて、筆者がおすすめする「つみたてNISA」のアクティブ型投信を紹介します。なお、基準価額と純資産総額、手数料等は2021年9月10日時点のものです。
●つみたてNISAおすすめアクティブ型投信①:セゾン資産形成の達人ファンド
| ◆セゾン資産形成の達人ファンド | ||
| 運用会社 | 基準価額 | 純資産総額 |
| セゾン投信 | 31,656円 | 1729.38億円 |
| 購入時手数料 | 信託報酬 | 信託財産留保額 |
| なし | 1.55%(税込) | 0.1% |
| トータルリターン(3年) | トータルリターン(5年) | トータルリターン(設定来) |
| 41.31% | 109.06% | 213.24% |
| 【つみたてNISAで買える金融機関の例】セゾン投信、ゆうちょ銀行 | ||
※トータルリターン(累積)は、2021年8月末時点
セゾン資産形成の達人ファンドは、ファンドに投資する「ファンド・オブ・ファンズ」と呼ばれるタイプのアクティブ型投信です。日本を含む世界の株式に幅広く投資します。投資先は、米国や欧州の株式ファンドが主体になっています。アクティブ型の中では信託報酬が安め。つみたてNISAやiDeCoでも投資できます。セゾン投信の社長、中野晴啓氏は「積立王子」のニックネームで講演やセミナーを行っていて、著書も多数あります。
●つみたてNISAおすすめアクティブ型投信②:ひふみ投信・ひふみプラス
※トータルリターン(累積)は、2021年8月末時点
ひふみ投信・ひふみプラスは、株式に投資して利益を狙うアクティブ型投信です。およそ250銘柄程度に分散投資しています。全体の約4分の3にあたる株式が東証1部に上場する国内株式ですが、米国や中国、中小型株などにも投資しています。その結果、ひふみ投信の設定来のトータルリターンは500%超えと、大きく資産を増やせています。
ひふみ投信のウェブサイトには、代表の藤野英人氏や運用メンバーの紹介が掲載されています。また、「お金のまなびば!」というYouTubeチャンネルでも情報発信。「顔の見える運用」を実践しています。
なお、ひふみ投信はレオス・キャピタルワークスのウェブサイトからの直接購入に限られています。それに対して、証券会社などの販売会社で購入できるのがひふみプラスです。投資先や投資方針はひふみ投信と同じです。お使いの証券会社で購入できるのであれば、ひふみプラスを選ぶのもいいでしょう。ちなみに、iDeCoでは「ひふみ年金」を購入できます。ひふみ年金も、ひふみ投信・ひふみプラスと同様の運用をしています。
アクティブ型投信で大きく利益が出れば、「つみたてNISA」の非課税のメリットも大きくなりますね。利益の積み増しを狙いたい人は、ぜひ、アクティブ型投信への投資も検討してみましょう。
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頼藤太希(よりふじ・たいき)[マネーコンサルタント]
(株)Money&You代表取締役。中央大学客員講師。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本証券アナリスト協会検定会員。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生保にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に(株)Money&Youを創業し、現職。女性向けWEBメディア「FP Cafe」や「Mocha(モカ)」を運営。著書は『はじめての資産運用』『1日5分で、お金持ち』『はじめてのNISA&iDeCo』など多数。twitter→@yorifujitaiki
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