新型コロナウイルスの影響で休校となっていた県立学校などが１日、約３カ月ぶりに授業を再開した。午前と午後に分かれて登校する学校が多く、いきなり通常授業とはいかなかったが、級友との久しぶりの授業に生徒や児童たちは笑顔をみせていた。県教委は１５日をめどに、各学校に通常授業に移行していくよう指導している。【後藤奈緒、新宮達】
和歌山市砂山南３の県立和歌山商高では、出席番号が奇数の生徒は午前、偶数の生徒は午後に分散して登校。教室にはクラスの半数の約２０人が、密集にならないよう間隔を空けて着席した。同校は今後２週間は１日３コマだけ授業を実施し、生徒の生活リズムを整えていくという。
３年生の村上洸誠（こうせい）さん（１７）は「友達と会えたのはうれしかったが、就職試験に勉強が間に合うか不安だ」と話していた。
和歌山市内では市立の小中学校など８０校が再開。県立学校と同様にクラスを二つに分けて分散登校し、１５日から通常に戻して給食も再開するという。
同市祢宜の市立和佐小（児童数３３３人）では、午前中に半分の児童が登校。玄関で塩谷通功校長らが「熱はない？検温は大丈夫？」と呼びかけた。その後、塩谷校長が校内放送で、規則正しい生活に戻す▽こまめな手洗い▽マスクの着用▽コロナに関する不確かな情報で他人を傷つけない――などの注意点を話した。
１年１組では、原千有紀教諭が１０人の児童に対し、せきやくしゃみをする子がいたら、まず「大丈夫？」と声かけし、しんどそうに見えたら先生に教えるよう伝えた。その後、ひらがな学習などの授業に取り組んだ。
塩谷校長は「手探りの状態で、子どもたちの様子を見ながら工夫することになるだろう。１日でも早く学校本来の姿に戻れるよう努めていく」と話していた。
通学路で見守り活動 学校再開で県警
県内の学校が再開したことに合わせ、県警も見守り活動や交通安全の呼び掛けを実施した。
和歌山西署は１日、管内の小中学校近くの交差点など十数カ所で、児童・生徒の見守り活動を実施した。
市立伏虎義務教育学校では、同署の島泰弘署長（５９）と署員、地域のボランティアら約３０人が、登校中の子どもたちに「おはよう」や「気をつけて」と声を掛けた。
島署長は「学校が再開したことで、子どもたちが登下校中に事件や事故に巻き込まれる可能性も高くなる。地域の人や先生と共に見守っていきたい」と話した。
橋本市高野口町名古曽の市立高野口中近くでは同日、かつらぎ署員が「（自転車は）一列で走ろう」などと書いた段ボール製プラカードを持って、交通安全をＰＲした。
同校は全校生徒２４１人のうち、９割が自転車通学。この日は同署員３人が、それぞれ漫画の吹き出しのようになっているプラカードを掲げて、「ななめ横断はダメ」などと書かれたメッセージを生徒に訴えた。
同署交通課の西本敏英警部補は「学校が再開されたので改めて交通安全を呼び掛けた」と話していた。【橋本陵汰、藤原弘】
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June 02, 2020 at 02:20PM
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新型コロナ 授業再開、笑顔の教室 県内学校、半分ずつ分散登校 ／和歌山 - 毎日新聞
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