巨額の税金を投入して1世帯に布製マスク2枚を配るというその政策が議論を呼んだ「アベノマスク」だが、一部の業者からのマスク1枚の価格が143円だったことが、政府が開示した文書で明らかになった。単価は非公表とされており全て黒塗りになっていてたが、一部で塗り忘れが有ったと見られる。原告らは、価格を非公表にする理由は無くなったとしており、全面的な契約内容の開示を求める。
情報開示は神戸学院大の上脇博之教授が厚生労働省と文部科学省に対して行ったもので、8月27日に開示された文書では、マスクの単価は非公表とされ、該当する記述は全て黒塗りになっていた。
このため、上脇教授はきょう(9月28日)、大阪地方裁判所にマスクの単価の開示を求める訴えを起こすことにしているが、このうちの文部科学省が開示した文書に、「厚労省内に設置されているマスクチームから、業者との交渉により、単価が143円(税込み)になる連絡があり、4月17日に業者より見積書の提出があった」と記されていたことがわかった。
弁護団の谷真介弁護士が開示された文書を精査していて発見した。
文書には、「これに伴い、4月20日付けで変更契約を行うものである」とも書かれており、この契約におけるマスクの単価について文部科学省が厚生労働省に合わせて143円にしたことを伺わせる記述になっている。
一方で、文書では、マスクの総数や単価を示す部分が黒塗りになっているため、谷弁護士は、「黒塗りをし忘れたのではないか」と話している。
上脇教授と弁護団は143円が全てのマスクの価格なのか確認する必要が有るとしており、一部でも金額が明らかになった以上、国がマスクの単価を非公表にする理由は無くなったとして、裁判で全面的な契約内容の開示を求めることにしている。
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