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Monday, November 2, 2020

血液すべて抜く血栓摘出の手術、体温半分まで低下も無事成功 英 - livedoor

イギリスに住む23歳の女性が、体の血を全部抜かなければならない大手術が不可欠な珍しい病気と診断された。血液を抜いた際、女性の体温は一時半分にまで低下してしまったが、手術は無事に成功した。『Mirror』『The York Press』などが伝えている。

英ノースヨークシャー州ヘスリントンに住むイジー・スコットさん(Izzy Scott、23)は、ヨーク大学で演劇を専攻している学生だ。イジーさんは昨年12月、慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)と診断された。

この病気はイギリスで8000人しか罹患者がおらず、肺と心臓を繋ぐ肺動脈の部分が高血圧状態となり、血栓が成長して血管を詰まらせてしまう深刻な疾患だ。イジーさんは2018年10月頃から体調が悪くなり、唇が青白くなったり、息切れが酷く靴下すらもはけない状態だったという。

イジーさんは診断された当時のことを「この病気と診断されるまでに1年もかかりました。最初は喘息と言われ、次に不安神経症と診断され、医者も何の病気なのか分かっていなかったのです。ひどい息切れで歩くのも辛く、友達と遊ぶこともできませんでした」と明かしている。

病気が判明したイジーさんは肺動脈血栓内膜摘除術という大手術を行う必要があり、イギリスで唯一この手術を行うことができるケンブリッジにあるロイヤル・パプワース病院に入院した。

この手術は血管内で大きくなってしまった血栓を除去するために体内の血液を一度全て取り出し、血栓摘出後に血液を体に戻す必要がある大手術だ。手術が行われたのは今年8月で、新型コロナウイルスの影響でイジーさんは手術前に家族と面会することができなかった。イジーさんは「手術のあとに目が覚めなかったらどうしようと思ってしまい、とても不安でした。家族との最後の会話がビデオ通話だなんて嫌だとも思っていました」と手術日までの3日間、寂しく辛い思いをしたそうだ。

手術が始まりイジーさんの血液が体から取り出されると、体温は一時的に半分ほどにまで低下したという。しかし血液が体内に戻されるとイジーさんの体温は元に戻り、手術は成功した。

この手術は上手くいったが、のちにイジーさんは脳出血を起こしてしまった。イジーさんの母親は「先生からイジーの脳出血の事実を電話で聞いた時『到着する頃には亡くなっているかもしれない』と言われました」と話しており、手術後も予断を許さない状況が続いた。

イジーさんはその後、脳出血による手術を行うためにさらに3週間、入院することになった。現在は退院し、両親と共に実家で療養しているという。イジーさんは「まだ療養中ですが、すでに別世界のようです。遠くまで休まずに歩いても息切れしないし、階段も上れます。これだけ呼吸が改善されるなんて驚きです」とコメントしている。

さらにイジーさんは「手術が必要になる前にもっと早く病気が分かっていたら良かったのに…と思うこともあります。未だにこの病気を知らない医療従事者に出会います。珍しい病気ですが、命を落とす可能性もあるのです。多くの人にこの病気のことを知ってもらいたいです」と話している。

画像は『Mirror 2020年11月1日付「Student ‘brought back from dead’ after operation drained all blood from her body」(Image: PHA UK / SWNS.com)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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