ゴールデンウイーク(GW)の5連休が始まった1日、山梨県内の観光地では、首都圏などからの観光客らの姿が目立った。ただ例年のような混雑はないものの、新型コロナウイルスの感染拡大で県下にも緊急事態宣言発令中だった昨年よりは人の動きは多かった。【田中綾乃】
昇仙峡「覚悟のうえで来た」
甲府市郊外にある昇仙峡。例年この時期は首都圏からの観光客が8割を占めるため、ロープウエーの利用客数も大型連休期間中はコロナ前の3分の1を想定している。
昇仙峡の案内人を務める米山一雄さんは「(観光客が)コロナ前の大型連休の半分もいない」と嘆く。それでも密にならない屋外の渓谷や川を訪れ、山歩きやカヌーを楽しむ人は少なくない。昇仙峡観光協会によると、昨年の大型連休期間は緊急事態宣言中で営業する店はなかったが、今年は営業を続ける。
東京都から観光に来た70代の男性は「感染対策もして、覚悟のうえで来た。もっと人が少ないと思っていたが」と予想より多い人出に驚いた様子だ。観光協会の芦澤卓夫会長は「声を大にして『遊びに来て』とは今は言えない。コロナが収まるまで細々とでも営業を続けるしかない」と語った。
富士五湖「思ったほど減ってない」
富士五湖の一つ、山中湖でも観光客らの動きは似た傾向にあるようだ。観光協会によると、例年よりは人出は少ないものの、東京都に緊急事態宣言が出される中、懸念したほど減っていないと言い、観光案内所の利用者数は多いという。
担当者によると、車のナンバーは多摩、横浜など首都圏のものが多い。車やバイクなどの交通量は予想していたよりも多いが、例年あった周辺道路の交通渋滞は確認されていないという。
富士北麓(ほくろく)の遊園地・富士急ハイランド(山梨県富士吉田市)では、大型連休に入ってからの入場者は、例年の半分以下だという。昨年の大型連休時は緊急事態宣言を受け、休園していた。
首都圏と県境の3村、営業か休業か
東京都や埼玉、神奈川県に隣接する小菅、丹波山と道志の3村は、観光施設である道の駅などの営業か休業かで連休中の対応が分かれた。昨年はそろって休業したが、感染拡大地域からの観光客の流入抑止か経済維持かで県境の村は苦渋の選択を迫られた。
東京都と接し国道139号が通る小菅村の「道の駅こすげ」。駐車場は品川、足立、多摩など東京ナンバーの車が圧倒的に多い。村の特産物を売る物産館は時折客でごった返した。「客入りは例年の3割。本音は感染が怖いが営業できてよかった」。同駅長の斎藤卓也さん(47)は村が道の駅と日帰り温泉の営業を決断したことに胸をなで下ろした。
連休中は、レストランは持ち帰りのみの営業で、物産館は入場制限するなど感染対策を強化。休業した昨年は、農作物や漬物を廃棄した農家もあった。
東京、埼玉と隣接し65歳以上の高齢者が半数近くを占める丹波山村は今年も、道の駅と日帰り温泉を休業。医療体制が脆弱(ぜいじゃく)で感染防止を優先させた。
神奈川県と隣接する道志村も小菅村同様、今年は「道の駅どうし」の駐車場の入場制限など対策を講じ、営業を続ける。駅の年間売り上げは「村の事業所の中でトップクラス」(村産業振興課)だけに、駅の運営会社の社長でもある長田富也村長は「変異株は恐怖だが、年間一番の稼ぎ時に休業では、村の経済がもたない」と話した。【山本悟】
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