世界最大の新型コロナウイルスワクチンメーカーが、生産を半分に縮小する方針を明らかにした。インドにある同社に、新たな注文が入ってこないからだという。
セラム・インスティチュート・オブ・インディア(インド血清研究所、SII)のアダル・プーナワラ最高経営責任者(CEO)は、同社には現在、英アストラゼネカ製ワクチンのインド版「コヴィシールド」の在庫が5億回分あると説明した。
コヴィシールドは、これまでインドで接種された13億回分のワクチンの9割を占めている。同国では1月以来、対象となる成人の半数がワクチン接種を完了している。
プーナワラCEOは、「想像もしていなかったジレンマに陥っている。毎月2億5000万回分のワクチンを生産しており、良いニュースは、インドで人口の大半をカバーすることができたことだ。あと1週間で、保健省からの注文分はすべて製造を完了できる」と語った。
「現時点でほかの注文はないので、国内外からの注文が増えるまでは、1カ月当たりの生産を少なくとも50%減らそうと思っている」
インドでは人口の85%が1回目のワクチン接種を終えているが、今なお数千万人が2回目を必要としている。
輸送・冷蔵設備の限界も
首都デリーに拠点を置くシンクタンク「政策研究センタ」ーのパルサ・ムコパドヤイ氏は、インドがワクチンの余剰を吸収する方法として、ワクチンの1回目と2回目の投与期間を12~16週から8週間に短縮することがあると指摘する。
「インドでは現在、約1億3000万人いる60歳以上の高齢者のうち、ワクチンを接種したのは8300万人だ。このように、最も感染リスクの高い人たちの間に、ワクチン接種の差がなおある状態だ」
そして、ブースター(追加)接種の問題がある。インド政府はまだ、ブースター接種について判断を示していない。
プーナワラ氏は、コヴァックスからはワクチンの注文が来ているのもの、「とても遅く、注文の増加は第2四半期になるとみている」と語った。
同氏は現在、ワクチンを必要としている各国首脳と連絡を取っているが、多くの国が「残念ながら」、輸送設備や冷蔵設備を改善しなければインドからワクチンを受け取れないと述べているという。
「こうした国々は、インドがやってきたように1日に700万~800万人にワクチンを投与するといったことができない。そういうインフラがない。来年の今頃までには、そうした国でも60~70%がワクチンの2回接種を完了していることを願う」
今年10月には、世界各国の元指導者など160人以上が、イギリスなどの富裕国に対し、ただちに余剰となっているワクチンを途上国へ空輸するよう求めている。
からの記事と詳細 ( 世界最大のワクチンメーカー、生産量を半分に インド - BBCニュース )
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