ひふみ投信・ひふみワールドは、レオス・キャピタルワークスが提供する人気のアクティブファンドです。この数年の株価の上昇で、どのような成績を残したのでしょうか。
この記事ではひふみ投信・ひふみワールドの概要と特徴について解説し、他のアクティブファンドと成績を比較します。ひふみ投信・ひふみワールドへの投資を検討している方は参考にしてみてください。
※2021年12月30日時点の情報をもとに執筆しています。最新の情報は、ご自身でもご確認をお願い致します。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定のサービス・金融商品への投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
目次
- ひふみ投信の概要と特徴
- ひふみワールドの概要と特徴
- 日本株中心のアクティブファンドの成績を比較
- 国際分散投資を行うアクティブファンドの成績を比較
- アクティブファンドを選ぶときの重要なポイント
5-1.運用実績を確認する
5-2.投資方針に共感するファンドを選ぶ - まとめ
1 ひふみ投信の概要と特徴
「ひふみ」は投信運用会社のレオス・キャピタルワークスが提供する投資信託のブランドです。国内外の企業に投資するファンドを複数運営しています。
その中の「ひふみ投信」は、日本の成長企業に投資するファンドです。2021年12月29日時点で、純資産額はおよそ1,538億円、基準価額は62,395円となっています。
運用方針は、国内外の上場株式を主要な投資対象とし、市場価値が割安と考えられる銘柄を選別して長期的に投資を行います。ひふみ投信の主な組み入れ銘柄と組み入れ比率は以下のとおりです(2021年11月30日時点)。
- インターネット・イニシアチブ:1.77%
- マイクロソフト:1.61%
- ミライト・ホールディングス:1.22%
- JTOWER:1.18%
- ソニーグループ:1.16%
- 味の素:1.14%
- 東京エレクトロン:1.12%
- GMOペイメントゲートウェイ:1.12%
- トヨタ自動車:1.11%
- INPEX:1.10%
資産配分比率は国内株式が84.61%ですが、海外株式も11.46%を占めています。業種別に見ると、情報・通信、電気機器、サービス業、化学などの構成比が高くなっています。
基準価額の長期トレンドを見ると、2018年から2019年にかけては、基準価額が40,000円~50,000円の間で伸び悩んでいました。しかし2020年の新型コロナショックから回復した後に基準価額がさらに伸び、60,000円を突破して最高値を更新しました。2021年は60,000円台で推移しています。
2 ひふみワールドの概要と特徴
「ひふみワールド」は、ひふみ投信とは対照的に、日本を除く世界の成長企業に投資するファンドです。2021年12月29日時点で、純資産額はおよそ421億円、基準価額は16,992円となっています。
世界各国の株式等を主要な投資対象とし、成長性が高いと判断される銘柄を中心に選別して投資しています。ひふみワールドの主な組み入れ銘柄と組み入れ比率は下記のとおりです(2021年11月30日時点)。
- アクセンチュア:2.56%
- セールスフォース:2.29%
- MSCI:1.99%
- S&P:1.78%
- エヌビディア:1.77%
- アドバンスト・マイクロ・デバイス:1.68%
- インテュイット:1.44%
- マイクロソフト:1.41%
- テトラ・テック:1.34%
- ケイデンス・デザイン・システムズ:1.33%
国別にみるとアメリカが68.88%を占め、ドイツが4.73%、中国が3.21%となっています。業種別ではソフトウェア・サービスが17.01%、資本財が11.97%、半導体が11.56%、各種金融が11.50%です。
2019年に運用が始まったばかりのファンドですが、世界的な株価上昇を受けて基準価額は順調に上昇しています。純資産もなだらかな右肩上がりとなっており、継続的に出資している投資家もいることが伺えます。
3 日本株中心のアクティブファンドの成績を比較
ひふみ投信の成績を、その他のファンドと比較してみました。日本株を中心に投資するアクティブファンドをピックアップしています。
ファンド名 | リターン(1年) | リターン(3年) | リターン(5年) |
---|---|---|---|
ひふみ投信 | 3.73 | 9.25 | 12.2 |
スパークス・新・国際優良日本株ファンド | 13.48 | 16.91 | 14.26 |
フィデリティ・日本成長株・ファンド | 13.73 | 20.24 | 11.29 |
ニッセイ 日本国ファンド | 16.35 | 10.65 | 5.02 |
※2021年12月29日時点の情報を基に作成
ひふみ投信は直近1年・3年のリターンはやや低いものの、5年以上の長期のリターンでは、他のファンドと遜色ない結果を残しています。
4 国際分散投資を行うアクティブファンドの成績を比較
ひふみワールドの成績を、その他のファンドと比較します。比較対象として、グローバルに分散投資を行うアクティブファンドを選びました。
項目 | リターン(1年) | リターン(3年) | リターン(5年) |
---|---|---|---|
ひふみワールド | 30.94 | - | - |
グローバル・ハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし) | 10.78 | 29.33 | 22.86 |
グローバルAIファンド | 19.36 | 44.10 | 28.01 |
キャピタル世界株式ファンド | 30.46 | 27.16 | 17.56 |
※2021年12月29日時点の情報を基に作成
ひふみワールドはリリースされてからまだ1年ほどのファンドのため、3年・5年の成績は存在しません。直近1年のリターンに関してはかなり高い成績で、キャピタル世界株式ファンドとほぼ同等です。
5 アクティブファンドを選ぶときの重要なポイント
アクティブファンドを選ぶときに大切なポイントを3つ解説します。
5-1 運用実績を確認する
各ファンドは月次レポートや運用状況などを公開しています。基準価額や純資産額がどのように推移しているのかを確認しましょう。
基準価額については目標とする指数を上回っているかどうか、純資産額は右肩上がりになっているかどうかをチェックします。なお運用実績が悪い時には、悪化した理由をきちんと説明できているかも見ておきましょう。
5-2 投資方針に共感するファンドを選ぶ
アクティブファンドの運用方針は、「テクノロジー中心」「SDGs重視」「AI・ロボット中心」などさまざまなものがあります。銘柄選びはファンド側に任せることになるので、投資家として共感できるものを選ぶ必要があります。
分かりやすい愛称を付けているファンドもありますが、名称だけで判断するのではなく運用の中身もきちんと確認しましょう。
まとめ
ひふみ投信は日本株中心、ひふみワールドは海外株式で、成長が期待される企業に投資をするアクティブファンドです。ひふみ投信は一時期伸び悩んでいた時期もありましたが、2020年からは比較的持ち直しています。
ひふみワールドは順調に伸びていますが、まだ運用がスタートしたばかりの銘柄のため、これからの運用方針がどうなるかチェックする必要があります。
HEDGE GUIDE 編集部 投資信託チーム
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