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Friday, March 25, 2022

欧州企業、半分が香港から移転検討 「ゼロコロナ」打撃 - 日本経済新聞

ゼロコロナ政策が企業の香港離れにつながっている(香港島の金融街)

【香港=木原雄士】在香港欧州商工会議所は、香港で活動する欧州企業の半分が1年以内に事業を香港外に移転させる計画だとの調査結果をまとめた。新型コロナウイルスの感染を封じ込める「ゼロコロナ」政策によって、従業員の離職率が高まるなど、各社は厳しい状況に直面している。

調査は1~2月に260社を対象に実施した。今後1年以内に25%が「完全な移転」、24%が「部分的な移転」を計画しているという。34%は「分からない」と答え、「移転計画なし」の回答は17%にとどまった。

香港は中国式のゼロコロナ政策をとり、入境後の強制隔離など厳しい措置を続ける。海外と自由に行き来できる香港の利点が失われ、この2年で5割以上の企業が「異常に高い離職率」を経験したと答えた。海外からの人材獲得が難しい理由に「コロナ規制」を挙げた企業は40%に上った。

欧州商工会議所は「ゼロコロナ政策が香港のビジネス社会に非常に高いコストをもたらした」と指摘。3分の2の企業が事業戦略や採用に影響が出ているとし、入境時に自宅での隔離を認めるなど、規制緩和を求めた。

香港政府は21日、米国や英国、カナダなどからの旅客機の乗り入れを4月に再開し、コロナ対策を見直すと発表した。ただゼロコロナの基本は変えておらず、厳しい規制が随所に残っている。

香港メディアによると、米ユナイテッド航空や英ブリティッシュ・エアウェイズ、日本航空など主要航空会社は乗務員のコロナ検査を廃止するよう求める書簡を香港政府に送った。検査結果によって乗務員が隔離施設に送られ、航空機が遅れるリスクがあるという。

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