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Thursday, November 23, 2023

水でも氷でもどんとこい! 住友ゴムの「アクティブトレッド」技術が変えるタイヤの未来 - webCG

化学はビジネスの在り方さえ変える

さて、ここで賢明なる読者諸兄姉は「ちょっと待て」と思うことだろう。「住友ゴムよ、そんなタイヤをつくって本当に大丈夫か?」と。

元来、タイヤというものはジャンルによって得手不得手があるものだった。それゆえに、製品の使い分けやサマータイヤからウインタータイヤへの履き替えといった需要が生じ、メーカーは恩恵を得ていたわけだ。もしここで「年中使えるタイヤ」なぞ発売しようものなら、せっかくの利益を手放すことになるのではないか?

結論から述べると、住友ゴムは覚悟のうえのご様子である。彼らは2017年に、新世代タイヤの技術開発コンセプト「スマートタイヤコンセプト」を発表。自動車の電動化や自動運転レベルの向上、カーシェアリングを含む移動手段&サービスの変化、そして環境負荷の低減などを鑑み、これからタイヤに課せられる課題を多方向への取り組みで解決すると表明した。

今回のアクティブトレッドの説明会でも、「全天候型タイヤの実現によるタイヤカテゴリーの集約と、性能持続技術・耐摩耗性向上技術の進化による長寿命化により、タイヤの製造本数を低減。省資源化を実現する」と話があった。ことタイヤの本数に関しては、住友ゴムは減ることを見越して、というか減らすために技術革新に取り組んでいるのだ。

イベントの後、この点について村岡清繁常務に話をうかがったところ、「これまでのように資源を使ってモノをつくり続けるやり方が、今後も許されるとは思わない」「こうした提案を率先して行うことこそ、われわれのような“業界2番手”の役割だと思う。そうしてメーカーの間に空気を醸成して、業界全体がこちらの方向(タイヤの製造本数低減による省資源化)へ向かざるを得ないようにできればいい」と述べていた。……最近、似たような話を海の向こうでも聞かされた気がするが(参照)、あるいは大きな企業のトップの間では、こうした問題意識が共通して持たれているのかもしれない。

「つくって売ろう!」の次の時代に、住友ゴムはどういったビジネスモデルを考えているのか。アクティブトレッドは本当にその一助になるのか。いろんな意味で、今回の新技術には興味津々(しんしん)なのである。

(文=webCG堀田剛資<webCG”Happy”Hotta>/住友ゴム工業、webCG/編集=堀田剛資)

Q&Aセッションにて、報道関係者の質問に答える住友ゴム工業の村岡清繁取締役常務執行役員。
Q&Aセッションにて、報道関係者の質問に答える住友ゴム工業の村岡清繁取締役常務執行役員。拡大

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