音声アシスタントの自動呼び出しを有効化したスマートフォンやスマートスピーカーなどは、周囲の音声を一日中認識し続けています。このため、「収集した音声データがどこかに送信されて音声アシスタント以外の何かに利用されるのではないか」と不安に思った経験があるユーザーも多いはず。新たに、アメリカに拠点を置くメディア企業のCox Media Group(CMG)が「スマートフォンやスマートスピーカーでユーザーの会話を録音し、会話内容から需要を分析してターゲティング広告を配信するシステム」を開発して利用者を募っていたことが明らかになりました。
Marketing Company Claims That It Actually Is Listening to Your Phone and Smart Speakers to Target Ads
https://www.404media.co/cmg-cox-media-actually-listening-to-phones-smartspeakers-for-ads-marketing/
CMGは録音データをもとに広告を配信するシステムを「Active Listening(アクティブ・リスニング)」と名付けており、アクティブ・リスニングの機能や効果をアピールするウェブページを公開していました。記事作成時点では当該ページは削除されていますが、Wayback Machine上にアーカイブが残っています。
アクティブ・リスニングのアピールページの内容はこんな感じ。ページ上部には「アクティブ・リスニングを用いることにより、CMGは音声データを活用して広告のターゲットを絞り込めるようになりました」と記されており、その下にアクティブ・リスニングに興味のある企業のための問い合わせフォームが設置されています。
さらに、CMGは「カーリースが後1カ月で終わるから計画を立てなくちゃ」「私たちにはミニバンが最適じゃない?」「天井にカビが生えてるっぽい」といったユーザーの日常会話から潜在的な顧客を見つけることができるとアピールしています。
また、CMGはアクティブ・リスニングを用いた広告の配信先として以下のプラットフォームを挙げています。
・インターネットテレビ
・ディスプレイ広告
・SNS
・YouTube
・Google検索
・Bing検索
さらに、CMGはアクティブ・リスニングに対する顧客企業の懸念を想定済みのようで、「私たちはあなたが何を考えているのか理解しています。スマートフォンや各種デバイスがユーザーの声を記録することは完全に合法です。なぜなら、ユーザーはソフトウェアアップデートやアプリのダウンロード時に利用規約に同意するためです」と述べてアクティブ・リスニングがユーザーの同意の下で機能することを強調しています。
なお、CMGは記事作成時点ではアクティブ・リスニングに関するページを削除しています。また、CMGは海外メディアの404 Mediaに対して「CMGは第三者によって収集されて匿名化および暗号化を施したデータセット以外のものにアクセスすることはありませんし、会話を聞くこともありません。私たちは誤解を招いたことを遺憾に思っています」とコメントしています。
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