マツダ3、CX-30の販売台数の10%にしかならないスカイアクティブX。しかし、欧州で売られるマツダ3とCX-30は、スカイアクティブXが40%程度と言う。これはいったいどうしたことかと言えば、ノーマルの2LスカイアクティブGエンジン仕様に比べて、日本市場では価格が68万円高い。300万円前後の価格のクルマで68万円の差があっては購買層が限られる。一方、欧州での価格差は約19万円にとどまる。19万円差ならば、GPSオプションなみである。
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余りにも日本市場軽視ともとれるマツダの姿勢に腹が立つが、「何故?」と考えると、欧州の燃費規制が考えられる。2021年の厳しい規制をクリアするためには、少しでも省燃費車を売らねばならない。「日本市場で稼いで欧州で安く売る」状態は、「やむにやまれぬ」メーカー存続をかけた事情があるわけだ。
スカイアクティブX直列4気筒2Lエンジンは、最高出力180ps(6000rpm)、最大トルク22.8kgm(3000rpm)。ノーマルのスカイアクティブG直列4気筒2Lエンジンは、最高出力156ps(6000rpm)、最大トルク20.3kgm(4000rpm)となり、性能的にはかなりの差はある。しかし、68万円の差を受け入れるほどの差はないと実績ではなっている。
スカイアクティブX仕様車のWLTCモード燃費は、17.2km/L (2WD/6速AT)。ノーマル、スカイアクティブG仕様車は、15.6km/L(2WD/6速AT)となり、スカイアクティブXエンジンは高出力で燃費が良いエンジンである。しかし、68万円の差を作るのなら、この程度の差では選ぶ人は限られてしまったと言うわけだ。
そうなると、思い切ってスカイアクティブX エンジンは2.5Lに排気量を上げ、最高出力も300ps程度まで上げておいた方が、商品力として不足はなかったのではないだろうか?マツダ技術陣はスカイアクティブXエンジンのSPCCI燃焼に大きな価値を感じているのだろうが、ユーザーの身になってみれば「多少、燃費が良く高性能なエンジン」程度なのである。
だから、スカイアクティブXエンジンの高性能ぶりを印象付けるには、それなりの演出が必要だったのではないだろうか?トヨタ・GRヤリスを見ると、ホモロゲーションの関係もあるだろうがWRCカーをうまく商品価値にしていて、「商売のトヨタ」との差を感じてしまう。
かつて、マツダ・ロータリーエンジン登場の時はコスモロータリーに搭載して、その後のロータリーの高性能車と結びつけていただけに、スカイアクティブXも燃費が良いだけではなく高性能を示す演出が欲しかった。
SPCCI燃焼を良く知ればマツダの基礎的技術の凄さに驚くのだが、だいたいあれほどの精度で燃料噴射を行うのには、高圧燃料噴射の裏付けとなるプレッシャーが必要だろう。電子制御だけでは出来ないメカニズムの精度に驚かされる。技術陣を含めて、「商品企画と市場の関係」を煮詰めてほしいものだ。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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August 30, 2020 at 04:52AM
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理想のエンジン、マツダ・スカイアクティブXなぜ苦戦? マツダ3に搭載でも魅力なし? - 財経新聞
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