中国の上海市政府は27日、新型コロナウイルスの感染が拡大しているとして、28日から市を2分割して順番に事実上のロックダウン（都市封鎖）をすると発表した。封鎖する区域では、水道や電気、ガスなどの公共性の高い事業を除き、在宅勤務を求める。操業停止など企業活動に大きな影響が出そうだ。
封鎖の期間は、市の東側などで28日から4月1日まで、西側で4月1日から5日まで。封鎖中はバスや地下鉄などの運行を停止し、原則、市民の外出を禁じる。
上海の人口は2400万人超。市民は封鎖中に全員PCR検査を受ける。上海は昨年10月時点で約3万8千人の在留邦人を抱え、世界の都市別で4番目に多い。帝国データバンクによると、2020年1月時点で上海に進出した日本企業は6千社超と中国で最多。上海では、感染力の強いオミクロン株が流行し、3月から新型コロナの感染者が急増。26日には新たに2600人超の市中感染を確認していた。3月の累計では約1万2千人に上る。市政府は「ロックダウンはしない」と宣言し、これまでは、マンションや地区単位での封鎖で抑え込みを図ってきた。だが、収束の兆しが見えないため、大規模な封鎖に追い込まれた形だ。（上海=井上亮）
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