資産運用のために投資信託を選ぶとき、「アクティブファンドとインデックスファンドのどっちがいいのか」と悩む人は多いのではないでしょうか。アクティブファンドとインデックスファンドには、どのような違いがあるのでしょうか? それぞれの特徴とメリット・デメリットを確認してみましょう。
- インデックスファンドは低コストで値動きを把握しやすい
- アクティブファンドは手数料が高いが、指数を上回る成果を期待できる
- 過去の実績をもとにリスク・リターンを評価してファンドを選ぶことが大切
違いその1 運用形態
アクティブファンドとインデックスファンドの違いの1つ目が、運用形態です。
インデックスファンドは、そのファンドが目標にする指数(株式市場であれば日経平均、NYダウなど)と連動した運用成果を目指すため、ファンドを運用する担当者の裁量は反映されません。基本的には、ファンドに組み入れる銘柄などは機械的に決められます。結果、同じ指数を目標にするインデックスファンド同士であれば、どのファンドも似たような値動きをすることになります。
これに対して、アクティブファンドは、指数を上回る運用成果を目指す、もしくは独自のテーマなどに基づいて指数にとらわれない運用成果を目指します。そのため、アクティブファンドの組み入れ銘柄やその割合は運用担当者の判断が色濃く反映されます。
指数を上回る運用成果を目指すということは、インデックスファンドより値動きが大きくなりやすいということでもあります。アクティブファンドは、ファンドによってテーマや運用方針が千差万別であり、値動きの仕方もまったく違います。個性豊かなラインアップから好きなファンドを選べるのがアクティブファンドの楽しみともいえるでしょう。
違いその2 組み入れ銘柄
インデックスファンドは目標とする指数と同じ値動きを目指すため、ファンドに組み入れる銘柄も、概ね指数と同じ構成になります。たとえば日経平均株価への連動を目指すインデックスファンドであれば、日経平均の構成銘柄である225社の株式が、日経平均の計算式とほぼ同じ比率で組み入れられることになります。
同じ指数を目標とするインデックスファンドは多数ありますが、運用の仕組みがほとんど同じため、ファンドの組み入れ銘柄やその割合にも大きな違いはありません。したがって、後述するように、インデックスファンド選びにおいてはなるべく手数料が低いものを選ぶのが基本となります。
また、インデックスファンドは指数と連動するように組み入れ銘柄が機械的に選ばれるため、優良とはいえない銘柄も組み入れることもありえます。ファンドを通じて投資する銘柄の種類が多いのは、分散効果が効きやすいというメリットにもなりますが、指数の足を引っ張るような銘柄にもいっしょに投資するリスクもあり、必ずしも運用効率が高まるとは限らないことは認識しておくべきです。
一方、アクティブファンドは、運用担当者が調査や分析を行い、それぞれの判断で組入銘柄を選定します。運用担当者の目利きが確かであるという前提に立てば、優良な銘柄が厳選されている点においてアクティブファンドが優れているといってよいでしょう。
違いその3 手数料
インデックスファンドは人の手による調査や分析を必要としないため、運用コストがあまりかからないのも特徴です。最近では、信託報酬(運用中に支払う手数料)が年率0.1%を下回るようなインデックスファンドも登場しています。
一方、アクティブファンドは個別銘柄の調査や分析を行い、銘柄選択に手間をかけています。その分、信託報酬などの手数料は高くなります。
例えば、時価総額の大きい日興アセットマネジメントの『インデックスファンド225』(日経平均に連動)は0.572%(税込)、アクティブファンドとして知名度が高い『ひふみ投信』は1.078% (税込)です。同じ日本株を投資対象にしたファンドでも、手数料に約2倍の差があることがわかります(『ひふみ投信』は一部海外株式の組み入れあり)。
過去の実績をもとにリスク・リターンを評価して選ぶ
アクティブファンドとインデックスファンドはどちらにもメリット・デメリットがあり、一概にどちらが良いというものではありません。
インデックスファンドは低コストで、市場の値動きがそのまま反映された運用成果を期待できます。日経平均などのメジャーな指数であれば経済ニュースで目にする機会が多いので、値動きを意識しやすいのもポイントです。
アクティブファンドは指数を上回る運用成果を目指し、組入銘柄をひとつひとつ吟味して選んでいます。それがプラスに働き高い運用成果を出せることもありますが、逆に指数を下回ることもあることは意識しておくべきでしょう。また、比較的手数料が高いので、運用成果の足かせになってしまう側面もあります。
ファンドを選ぶ際には、過去の実績をもとにリスク・リターンを評価して選ぶことが大切です。一般的に運用成果は手数料込みで表示されているため、インデックスファンドとアクティブファンドの実力をフラットに比較できます。
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