日本発祥のEV充電器向け統一規格「CHAdeMO(チャデモ)」が、EVシフトに向け大きな課題であった充電時間を短縮させる、新たな急速充電器「チャデモ3.0」の実用化に向けた動きを加速させています。果たしてこれがEV普及の救世主となるのでしょうか。
急速充電器の「出力倍増」で充電速度は「半分」になる!?
日本発祥であるEV(電気自動車)充電器向け統一インターフェイスを定める国際標準規格「CHAdeMO(チャデモ)」が、充電時間を半分にする画期的な急速充電器「チャデモ3.0」の実用化に向けた動きを加速させています。
これまで30分以上かかっていた急速充電時間が大幅に短くなるといい、EVシフトに対する大きな課題のひとつがクリアされるかもしれません。そんなチャデモ3.0の実力とこの先の課題について紹介します。
EVの急速充電について、大きな動きが出てきました。
急速充電器を製造する、日立インダストリアルプロダクツは2022年10月6日、次世代EV充電規格「チャデモ3.0」の実証試験(2023年4月から2年間)に参加することを発表したのです。
チャデモは、電力、電機関連や自動車関連などEVに関わる企業や行政機関によるチャデモ協議会がDC国際標準規格として発行している、充電器規格のことです。
チャデモは2010年からこれまで、段階的に仕様が変わってきましたが、初期の急速充電器は出力50kWのモデルが多く、2022年時点でも50kWモデルが主流になっています。
また、2021年12月に首都高速・大黒PA(神奈川県横浜市)で設置した、最大90kWで急速充電可能な6基型の充電ステーションがオープンし、これを皮切りに90kWモデルが徐々に増えつつある状況です。
そうした中で、今回の実証試験では急速充電器の出力を200~350kWまで高めて行うというのです。
また独自の動きとしては、アウディジャパンが、同じく独フォルクスワーゲングループ傘下のポルシェジャパンと連携して、全国のディーラーで150kWモデルの普及を進める計画が進んでいる状況です。
こうした充電器の出力を上げることは、充電時間の短縮に直結します。
例えば、EVに搭載されている電池(バッテリー)の容量が100kWh(キロワットアワー)の場合、出力50kWで充電すると、100kWh÷50kW=2h(2時間)になります。
これが、出力200kWになれば、100kWh÷200kW=0.5h(30分)となりますし、また出力350kWでは、100kWh÷350kW=0.28h(約17分)という計算になります。
ただし、車載電池の持続的な性能を確保するため、また充電における安全性を確保するために、急速充電では充電するEVに対する適格な制御を行うので、実際にはこうした単純計算で算出した時間にはなりません。
とはいえ充電器の出力が2倍になれば、同じ電池容量に対する充電時間が1/2相当になるという考え方は、大筋で成り立つと考えられます。
そのため、今回の実証試験にはEVユーザーの期待が高まるところです。
なにせ、ガソリン車やハイブリッド車での給油時間は料金支払いの時間を含めても5分以内で終わるのですから、現状でEVの充電時間に対してとても長く感じる人が多いのは当然でしょう。
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