今や、スマホを開けば「新型肺炎」の文字。スポーツの大会やコンサートなど大人数が集まるイベントの中止や、学校の休校措置など、これまでにない事態といえます。
今回は、新型肺炎の影響が日々の仕事や収入にまで及んだケースを紹介します。派遣社員として働いている木下友紀さん(仮名・28歳)に話を聞きました。
学校事務でゆとりのある生活
「現在は、中高一貫の男子校で窓口業務を含めた学校事務の仕事をしています。この学校は大学の付属なのもあり、人気校なんです。中学受験とはいえ、1000人近くが受験する大規模な試験なので、人手が必要なのです。受験期の繁忙を見越して、派遣社員を多めに採っているようでした」
生徒が長期休みになる8月などは週4日出勤になることもあるため、あらかじめダブルワークをして収入が減るのを防いでいる人もいるといいます。
「ただ、学校側からは『2~4月頃までの繁忙期には、場合によっては週6勤務になることもある』と聞いていたので、私はその収入を期待して副業はしていませんでした」
前職はIT企業のプロデューサー
派遣業界では、定時で帰れることの多い学校事務は、ジム通いなど趣味の時間を優先させたい女性に人気だそうです。
「以前は、IT企業でコンテンツビジネスのプロデュースを担当していました。女性でもプロジェクトリーダーになれるという社風でしたが、更新業務などで休まるときがなく、帰宅後もパソコンを開いてメールチェックなど行っていました。
そんななかで体調を崩してしまい、2年前に退職。今の学校事務の仕事に転職しました。売り上げなども気にしなくていいし、年配の社員さんも多くて居心地がよかったんです」
しかし、そののんびりとした社風が収入源への追い風となりました。
休校措置で、派遣は週2~3日出勤に
「新型肺炎のニュースが報道され始めた2月は受験シーズン真っただ中だったので、『風邪などひかないようにね』という形で、職場の雰囲気もまだ穏やかでした。でも、報道などで感染者数が増えるにつれ、『職員の間引き出社』が言われるようになってきたんです」
まさに、予想外の事態に、副業を探そうにも時期も悪かったと言います。
「もともと、繁忙期に備えて職員が多いので、普段の仕事量ってだいたい0.8くらいで、1人分を超えないんですよ。そのため1人くらい休んでも全然、業務が回せるんです。
正社員は月給なので、自然と『派遣さんから休みを取ってもらって』という雰囲気になりました。最初は有給消化という形で、1~2日程度休みを取りましたが、急な休みで働く先もなく、家でじっとしていました」
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