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Wednesday, June 10, 2020

クラスも机も半分、掃除は先生 分散登校の1日密着 - 神戸新聞

 長い休校を終え、6月からそろり、と学校が再開した。とはいえ、兵庫県内は公立学校の多くが今も分散登校中。聞き慣れない言葉だが、クラスを二つに分け、午前と午後の2部制にしたり、隔日登校にしたりして「3密」を避ける作戦だ。マスク姿で戻ってきた子どもたちと、できる限りの対策を講じる先生。学校生活とコロナとの共存が始まった。神戸市立吉田中学校(神戸市兵庫区吉田町)の1日に密着した。(鈴木久仁子)

【8:45】

 三々五々、午前組が登校してきた。

 「ちゃんと起きられたかー」「名札ないぞー」

 森本勝校長ら数人の先生が迎える。校舎に入る前に手指を消毒。生徒は家であらかじめ検温し、体調を書き込んだチェック表を提出する。担任はそれにサインをして毎日返却。忘れると、検温をしてからでないと校舎に入れない。

 先生も全員提出だ。「ハンコは私が」と森本校長。

【10:30】

 教室は閑散としている。普段の半分の机といすをゆったり配置。もともと1学年2クラスのため少人数だが、この日、2年生の教室は13人だ。

 「少人数になったらトラブルが少なくなって、ちょっと驚き」と先生。せまい教室に大人数でいると、もめやすい。これもコロナの効用か。

 生徒会長の3年、小林蓮さんは「午前中だけなので、午後からは須磨の方にサッカーしに行く予定」とさわやか。新しい生活様式を楽しんでいる様子だ。

【11:05】

 体育の時間。炎天下だが「日に当ててやらないと、これからの季節、体調をくずすので」ということで、男女混合でラケット野球。確かに、色白の生徒が多い。3カ月もの休校ですっかり体力も落ち、このままだと熱中症の危険性が高まるという。

 ラケットで力いっぱい球を打つ。遠くで待ち構える級友が走って取る。密にならずにいい感じだ。

 「女子! もっと広がって~」「集合! いや、間隔空けて~」。先生の声が響く。

 「運動不足なので、できて良かった」と生徒たち。学校中の水道では、塩素濃度をこまめに測る養護教諭の姿が。「屋上の給水タンクにためた水は塩素が抜けやすく、殺菌力が落ちるので」。細部に目を配る。

【12:10】

 給食を頼んでいる人は食べてから、そうでない人はすみやかに下校。何やら楽しそうな男子のグループに声を掛けた。

 「どっか行くの?」「とんでもない。帰って勉強です」「ウソつけ、ゲームやろ」。にぎやかに消えると、午後組が登校してきた。

【15:30~夜】

 午前と同じく3教科の授業をこなし、下校。部活も掃除もない。感染予防のため、掃除は先生の仕事だ。

 トイレ、教室の扉、水道の蛇口、電気のスイッチ、手すり…。ありとあらゆるところを消毒する。

 「いつまで続くんでしょうね」。そうつぶやきながら、「地域や保護者に支えられ、コロナをきっかけに学校が一体になっている」と前向きだ。

 先生の仕事はまだ終わらない。遅れを見極める課題考査の準備、学習プリント作成、来週から始まる部活と消毒をどう両立するかの話し合い…。

 20時を回っても明かりは消えない。「いずれ地域や保護者にも発信し、助けてもらえたらと思うが、実際にはPTA役員も決まっていない」と校長。緊張と模索の日々が続く。

     ◇

 兵庫県内では現在、コロナの感染拡大は見られず、分散登校は大半の学校が今週で終える見通しだ。

 神戸、阪神間のほか、加古川、三木、丹波、丹波篠山、姫路市などで15日、コロナと共存しながらの「通常授業」が始まる。

【記事特集リンク】新型コロナウイルス

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June 11, 2020 at 12:15PM
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