いま、注目を集める研究会がある。わずか2年で約1000人規模へ拡大し、東大新入生の20人に1人が所属する超人気研究会に成長した、「東大金融研究会」だ。創設者は外資系ヘッジファンドに20年在籍し、超一流の投資家として活躍してきた伊藤潤一氏。東大金融研究会ではお金の不安から自由になり、真の安定を得るために「自分の頭で考える」ことを重視している。世の中に溢れる情報や他人の声に振り回されず何が正しいのかを自分で判断し、物事を本質的に理解し、論理的に思考を展開することで、自立した幸せな人生を歩むことができるからだ。本連載では、東大金融研究会の教えを1冊に凝縮した初の書籍『東大金融研究会のお金超講義』から抜粋。頭のいい人だけが知っている「お金の教養と人生戦略」を紹介する。
「時間が経つスピードの感じ方」は歳を取るほど加速する
私が東大金融研究会の活動に力を入れている理由の1つは、まだ若い学生たちに時間を有効に使ってほしいという思いを強く持っているからです。
「時間が経つスピードの感じ方は、年齢の逆数」と言われます。10歳の人にとって1年間は「1÷10=0.1」、つまり0.1くらいの長さに感じますが、これが20歳の人になると「1÷20=0.05」、つまり0.05くらいの長さにしか感じないということです。
自分自身のことを振り返ってみても、20歳のときにはサークルに入ったりアルバイトをしたり友人や彼女と時間を過ごしたりとやることがたくさんありましたから、10歳のときにくらべて「1年がすぎるスピードが半分くらいになった」と言われれば「確かにそうだな」と感じます。
ここで学生時代に勉強した数学の知識を活用して、人が物心つく5歳くらいの頃から20歳までの15年間と、20歳から80歳までの60年間、それぞれの累積体感スピードを計算してみましょう。計算式は次のようになります。
「log20−log5=log4」「log80−log20=log4」
つまり、人生を80年とした場合、体感スピードでいえば「20歳の段階で人生の半分は終わっている」わけです。
このことを知ると、学生時代に「1年後はこれをやりたい」とか「2年後にはこうなっていたい」と言っていることがいかにもったいないかに気づきます。やりたいことは「いま」すぐにやらなければダメなのです。
「Time is money」といいますが、幼い頃は自由になるお金が限られている半面、時間は無限に思えるほどあるものです。少ないお小遣いをやりくりする中でお金が貴重だということを子どもは学んでいきますが、一方で時間については若い頃は無頓着でしょう。
しかし成長して大人になり、30代、40代、50代と歳を重ねると、時間の大切さが身にしみるようになってきます。社会に出てから「学生時代にあれもこれもやっておけばよかった」と後悔する人は少なくありません。
私自身、学生時代に「いまの時間を大切にすべきだ」という感覚は持っていませんでした。おそらくいまの学生たちも、同世代ばかりと交わっていると、そういった感覚は持ち得ないでしょう。
人生の時間を有意義に使い切るためには、「いま」をうまく使うことが非常に重要なのです。
(本原稿は、伊藤潤一著『東大金融研究会のお金超講義 超一流の投資のプロが東大生に教えている「お金の教養と人生戦略」』から一部抜粋・改変したものです)
からの記事と詳細 ( 「人生の半分は20歳で終わっている」数学的理由とは?【投資のプロが東大生に教える】 - ダイヤモンド・オンライン )
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