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Monday, April 18, 2022

ダルクさん、楽しい「ETFのアクティブ運用」 - 日本経済新聞

ブログ「見習い錬金術師の奮闘記」を運営する「ダルク」さんは、東証上場の機械関連メーカーで働く30代前半の男性エンジニア。神奈川県の賃貸住宅で一人暮らしをしている。

毎月の給料日に合わせて、上場投資信託(ETF)の購入金額を増減したり、銘柄を少し変えてみたりと、「ETFのアクティブ運用」を楽しんでいる。ETF投資を始めて2年あまりで金融資産が800万円から1800万円に増えた。ブログでは資産運用関連をメインに、仕事に必要となる専門知識や資格取得に関する情報も発信。ダルクさんの資産運用を聞いた。

ユーチューブで投資に踏み出す

――投資を始めたきっかけを教えてください。

「投資のきっかけはマネー系ユーチューバーの動画でした。家の引っ越しをすることになり、少しでも費用を下げるためネットで情報収集し、節約に関する動画を探して参考にしたところ、引っ越し費用を抑えることができました。その時に一緒に見たマネー関連の動画を通じて資産運用への関心が高まりました」

「それ以前は資産運用に関心がありませんでした。ところが、税金や投資について学び始めると面白く、自分でも資産運用をやってみたくなりました。既に勤務先の従業員持ち株会で自社株投資をし、企業型確定拠出年金(DC)にも加入していましたが、主体的に投資を始めようと思ったのはその時が初めてです。2019年の10月ごろです」

「積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)やふるさと納税を始めた友人がおり、生の投資経験を聞いていたのもきっかけの一つです。生活費の半分くらいを配当金などの金融資産収入で賄う『サイドFIRE』という考え方をブログで知ったことも後押しとなり、少額からでも投資を始めようという気持ちが高まりました」

「投資を始めた後のことですが、職場の先輩が配当収入で相当潤っているのを知りました。それも投資を継続する励みになっています」

――ブログはいつ始めたのですか。

「ブログを開設したのは19年の年末です。自分の投資経験とその過程で学んだことを情報発信しながら資産運用を続けていこうと思い立ちました。当初は架空の人物を設定してユーチューブでの動画配信も考えたのですが、自分には少しハードルが高く、もともと文章を書くことが好きだったためブログを始めることにしました」

「書き込み内容のメインは資産運用についてですが、仕事に必要となる専門業務の知識や資格取得に関しても発信しています。最初は副収入になればという思惑もありましたが、今ではほとんど趣味の一環でブログを更新し続けています」

ETFへの投資は毎月アクティブに

――現在の資産配分比率を教えてください。

「運用開始直後(19年末)の資産配分は現金60%、従業員持ち株20%、一般のインデックスファンド10%、その他10%でした。現在は現金14%、米国上場ETF63%、インデックスファンド10%、残りが持ち株会など国内株という配分比率です(図A、22年3月25日時点)」

「投資資産として米国株が優れていると感じたので、つみたてNISAで米国株指数連動のインデックスファンドを購入することから始めました。その後は、よりシンプルで分かりやすく、分配金も魅力の米国上場のETFにシフトしていきました」

「ETFでは米国株を主軸に置き、分配金収入狙いで高配当株や連続増配銘柄に投資するタイプに加え、新興国株や債券、コモディティー関連も少し購入しています。個別株の他で投資しているのは、ETFと一般のインデックスファンドのみです」

――投資手法や投資商品にこだわりはありますか。

「毎月、つみたてNISAで3万3333円、企業型DCで6500円を積み立てています。従業員持ち株は月1000円分購入し、ETFは月1回、20万~30万円ほど購入しています。元手は給与収入と預金から捻出しています」

「ETFの購入金額は毎月、銘柄ごとに少しずつ調整し、アクティブに運用しています。給料日にどのETFにいくら投資しようかと、色々調べて決めるのは楽しいです。ブログでも今月はどのETFをどういう意図で購入したのか公開しています」

サイドFIREが目標

――資産運用をしてよかったですか。失敗談はありますか。

「よかったです。資産運用を始めたことでお金に関する意識が高まり、2年あまりで金融資産を800万円から1800万円まで、1000万円増やすこともできました」

「これといった失敗はありませんが、強いて言えばもう少し早く投資を始めていればよかったです。節約や投資についてもっと早く学べていれば、資産を今以上に増やせていたと思います」

――今後の目標はありますか。

「当面の目標は10年以内に、サイドFIREが可能となる3000万円くらいの資産をつくり、分配金収入が安定して入るようにすることです。実家の親が地方で農業を営んでおり、家業を継ぐのが可能になるかもしれません。実際にサイドFIREするかどうかは未定ですが、資産運用を続けて人生の選択肢を増やしておきたいです」

――これから投資を始める人にアドバイスを。

「何も勉強せず適当に運用すると失敗する可能性が高くなると思います。私自身は金利と債券価格の関係や中央銀行の役割、株式市場の仕組みなど、金融全般の本を読んで知識を吸収しました」

「とはいえ、勉強しても行動しなければいつまでたっても資産運用は始められません。まずは『小さく』始めてはいかがでしょう。どんな商品や投資手法が自分に合っているかは、実際に少額投資してみてその動きを追うことで実感しやすくなります」

「少額投資で実践を積みながら自分のペースで学んでいくのが、より長い資産運用につながるのではないでしょうか。ただ、誰かの考えに安易に同調せず、初心者でも自分なりに考え、調べてから投資を実践するようおすすめします」

(QUICK資産運用研究所 聞き手は西本ゆき、高瀬浩)

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