とべとべ とんび 空高く――。童謡にも歌われ、のどかな風景が似合うトビ(トンビ)だが、最近、鳥取市の中心部で人が襲われるケースが相次いでいる。猛スピードで近づいてきたトビと接触してけがをするケースもあり、専門家は「人間の食べ物の味を覚えたトビが、今後も繰り返し狙ってくる可能性は高い」として注意を呼びかける。(藤本綾子)
5月半ばの晴れた日曜の昼、鳥取市役所横にある公園で、親子連れや若者が、遊具で遊んだり昼ごはんを食べたりしてくつろいでいた。1組の家族連れが近くで買ったハンバーガーを食べ始めたそのとき、1羽のトビが飛び込んできた。女性(79)の背後から近づくと、そのままハンバーガーを半分奪って飛び去った。
「一瞬のことで、何が起きたのかわからなかった」
女性の左頬には10センチほどのみみず腫れができた。翌日には痛みは治まったが、そばには小学生と保育園児のひ孫もいた。「もし子どもたちが襲われていたらと思うと本当に怖い」と振り返る。
野生動物の保護や管理を担う鳥取県や公園を管理する鳥取市は、付近でトビによる被害は把握していないという。ただ、公園ではこの日、女性が襲われた前後にも、トビが人の食べ物を狙う様子が見られた。別の日には公園近くのJR鳥取駅南のロータリーでも、袋に入ったパンを手にした男性が狙われる事例があった。
鳥取県立博物館(鳥取市)の学芸員(自然担当)の一澤圭さんは「県内ではこれまでトビによる被害はあまり聞いたことはなかったが、何らかのきっかけで人間の食べ物を食べて『おいしいエサ』と学習したのでは」と推測。「今後も繰り返すことは十分ある」と話す。その様子を見た別のトビがまねをする可能性もあるという。
からの記事と詳細 ( 女性がハンバーガーを食べ始めたら…背後からトビが半分奪う、左頬にミミズ腫れ10cm - 読売新聞オンライン )
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