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Friday, June 3, 2022

【今日の一首】青年誌表紙の顔の半分がわからなくなってはじまるぜ夏|僕の不幸を短歌にしてみました(エッセイつき)|岡本雄矢 - 幻冬舎plus

歌人芸人・岡本雄矢さんのフリースタイルな短歌&エッセイが全員がサラダバーに行ってる時に全部のカバン見てる役割というタイトルの本になり、評判上々!たったの31文字で、世界はこんなにも情けなく、こんなにもドラマチックになるもんなんですね。

今日の #不幸短歌 は、年齢を重ねるごとに「あるある!」と言いたいあの件…。

*   *   *

青年誌表紙の顔の半分がわからなくなってはじまるぜ夏

 

子供の頃、年に1度だけ、夏に会う親戚のおじさんが、毎年のように言っていた言葉があります。

「若いアイドルの顔が全部同じに見えるんだ。まったく違いがわからないんだ」

僕はそれを聞くたびに思っていました。

なんなんだその嘘は?

全然おもしろくないじゃないか!

たしかに、化粧の方法や衣装の関係で、似ているように見えるということはあるかもしれません。

ただ、全部同じ顔に見えるだと?

まったく違いがわからないだと!?

大袈裟すぎます。

そんな訳ないじゃないか。

夏の暑い日射しと共に、その言葉をなぜかよく覚えています。

(写真:iStock.com/yuriyzhuravov)

30代中盤から、やばいなーと感じられる傾向はありました。

若いアイドルさんの顔が、少しずつ同じに見えるような気はしていました。

そして、38歳。

今僕は、若いアイドルさんの顔が全部同じに見えます。

あのおじさんの言ってたことは嘘じゃありませんでした。

全然違いがわかりません。

おじさん、嘘じゃんとか思ってごめんなさい。

今ではめちゃくちゃ気持ちがわかります。

先日、コンビニの雑誌のコーナーに並ぶ表紙の前で、僕は立ち尽くしていました。

顔が同じに見えることに加え、アイドル知識の乏しさから、ほとんどの人が誰だかわかりません。

時代に付いていけてなさすぎです。

店内のラジオでは、パーソナリティさんが「今日は今年1番の暑さになりそうだ」と言っていました。

今年も夏がはじまります。

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