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Tuesday, May 2, 2023

米リセッションに賭けるアクティブ運用の株式投資家-昨年とは ... - ブルームバーグ

ウォール街のエコノミストやセントラルバンカーは、米経済がいつリセッション(景気後退)に陥るかを議論しているが、大手金融機関の株式運用担当者はすでに動いている。

  プロのアクティブ運用担当者の間では、銀行株といった景気敏感株から資金をシフトさせ、公益事業や生活必需品のようなリセッション時に強いとされる銘柄に資金を投じる傾向が強まっている。

  バンク・オブ・アメリカ(BofA)がまとめたデータによると、強気と弱気の両方に賭けるヘッジファンドは、ディフェンシブ株に対する景気敏感株の保有比率を少なくとも2012年以来の水準に引き下げた。

  ロング(買い持ち)オンリーの運用会社では、景気敏感株への相対的なエクスポージャーが、08年以来の低水準近くとなっている。

  米株式相場は昨年10月の安値からの回復局面で時価総額が5兆ドル(約688兆円)膨らんだが、浮き彫りとなるのはアクティブ運用の投資の世界で広がる悲観的な見方だ。

  サビタ・スブラマニアン氏らBofAのストラテジストはリポートで、これら運用会社は「09年型のリセッションに備えたポジション」を取っていると指摘した。

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Source: BofA

  最近のディフェンシブ株選好は、リセッション懸念が高まっても、アクティブ運用ファンドが景気敏感株に傾倒し続けた昨年とは対照的だ。

米株式投資のプロはソフトランディングに賭けるか-ゴールドマン分析

  当時のスタンスは、米金融当局が積極的なインフレ対応策を講じてもソフトランディングを実現できるという信頼を示すものだったが、そうした信頼は今ではほとんど見られない。

  セクターのポジショニングに関するデータは、プロの投資家の間で弱気論が根強いことを示すさらなる証拠だ。BofAが4月に実施した最新のファンドマネジャー調査によると、現金保有は高水準のままで、債券選好の度合いは株式との比較で09年以来の高さとなった。

投資家の株式配分、債券との比較で09年来の低水準-BofA調査

  ただ、こうした守りの姿勢は、弱気派が「FOMO(乗り遅れ恐怖症)」に陥って利益を追い求めざるを得なくなると、大きな株高を招く可能性がある。

  最近それが起きたのが 4月27日だ。経済成長の鈍化と予想を上回るインフレを示すデータにもかかわらず、メタ・プラットフォームズなどのテクノロジー企業の堅調な業績が株式相場を動かした。この日、S&P500種株価指数は2%上昇し、ゴールドマン・サックス・グループの株式トレーディングデスクでも取引が活発化した。

  ゴールドマンのパートナー、ジョン・フラッド氏は先週の顧客向けリポートで、ロングオンリーファンドが「FOMOバイヤーとして参加を強いられた」と説明した。

  注目すべきは、チャートのシグナルに基づいて資産を配分するコンピューター主導の戦略と警戒感の強いアクティブ運用ファンドとの違いだ。

  トレンド追随型などシステマティックな運用会社は、このところの安定的な株高と市場ボラティリティーの低下を踏まえ、株式の保有比率をここ数カ月間に高めている。

  こうした相違は、ドイツ銀行が発表した投資家のポジショニングに関するモデルが最もよく示している。同行によると、クオンツファンドが引き続き株式を買い付けている一方、裁量の大きい投資家からのエクスポージャーはここ1年で最低の水準だ。

  「システマティック戦略のポジショニングが中立に向かってさらに膨らんだが、裁量の大きい投資家がこれまでの株高に非常に懐疑的であるためにこれを打ち消している」とパラグ・サッテ氏らドイツ銀のストラテジストは分析している。

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Source: Deutsche Bank

 

  弱気派は今年に入ってからの株価上昇の大半は、株高局面で株を買うしかないクオンツ投資家のせいだとし、数カ月に及ぶ上昇は持続不可能だと警告する。

  米国株に「非常に大きなずれ」と警告-モルガンSのシャレット氏

  S&P500種は4200ドル台突破に何度も失敗しており、勢いがないとクオンツファンドからの需要が止まる公算が大きい。一方、再び売りが急増すれば、こうしたルールベースのトレーダーは方針を転換し、株式から撤退する可能性がある。

ゴールドマンのルーブナー氏が米国株に警鐘-クオンツは「弾切れ」

  経済指標や企業業績が予想を上回ったことも、株価の押し上げ要因となった。今シーズンの決算発表で企業が予想を上回る業績を上げたとはいえ、少なくともまだ、米企業を成長軌道に乗せるには十分ではない。米連邦準備制度理事会(FRB)でさえ年後半から「穏やかなリセッション」が始まると予測している。

FRBはあともう一回の利上げに傾斜、景気後退警告も-議事要旨 

  ただ、BofAのスブラマニアン氏によると、過去に見られたようにリセッションに備えるために守勢に回るのが早過ぎると、結果的に高く付くことになりかねない。

  経済成長に対するヒストリカルな感応度に基づいて株価を追跡したところ、最も景気に敏感な10業種は、リセッションに先立つ6カ月間にアウトパフォームする傾向があることが判明。ディフェンシブ銘柄が輝き始めるのは実際にリセッション入りしてからだという。

  同氏は「リセッションは予想するものではなく、待つものだ」としており、米国のリセション入りは7-9月(第3四半期)というのがBofAの予想だと説明している。

原題: Stock Pickers on Wall Street Are Going All-In on Recession Bets (抜粋)

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