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Monday, March 16, 2020

アクティブ運用の債券ファンドとは?メリット・デメリットや注意点も | 投資信託コラム | 金融・投資メディアHEDGE - 金融・投資情報メディア HEDGE GUIDE

「投資」と聞くと、株式投資を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。また、そういった方の中には「株式投資は怖い」というイメージをお持ちの方もいるでしょう。

ただ、「株式は怖いので、国債などの債券に投資してみよう」と考えてみたとしても、日常の生活では債券に関する情報に触れる機会が少なく、あまり馴染みがありません。債券自体がよくわからないなかで「債券に投資するファンド」と言われても、ピンと来ないという方も多いのではないでしょうか?

今回は、そのような方の為に、債券を投資対象とした投資信託である債券ファンド、特にアクティブ運用の債券ファンドについてご説明したいと思います。

目次

  1. アクティブ運用・パッシブ運用とは
  2. アクティブ運用債券ファンドのメリット・デメリット
    2-1.アクティブ運用債券ファンドのメリット
    2-2.アクティブ運用債券ファンドのデメリット
  3. 債券ファンドの投資対象資産とその特徴
    3-1.為替リスクの有無と概要
    3-2.リスクの傾向
  4. まとめ

1.アクティブ運用・パッシブ運用とは

まずはファンドを選ぶ際に知っておく必要のある「アクティブ運用」と「パッシブ運用」とは何かを見ていきましょう。

アクティブ運用

ベンチマーク※を上回る投資成果を積極的に目指す運用スタイルのことをいいます。“上回る”と聞くと、常に大きなリターンを狙いにいくことと勘違いしやすいのですが、実際は相場全体が下がっている時に、下げ幅を限定的に抑えることも大事なアクティブ運用の特徴の一つです。

パッシブ運用

ベンチマークに連動する投資成果を目指す運用スタイルです。

※ベンチマーク…株であればTOPIXなど市場平均を示す指標。

2.アクティブ運用債券ファンドのメリット・デメリット

以上を踏まえて、アクティブ運用の債券ファンドに投資する際のメリットとデメリットを見ていきます。

2-1.アクティブ運用債券ファンドのメリット

債券投資というものは非常に複雑です。最も一般的な国債への投資を考えた際でも、どこの国を買うのか・年限(満期までの年数)はどこを選択するのか・短い年限を買い、長い年限を売って全体の金利カーブとしてリスクを持つのかなど、戦略は多岐にわたります。

そのような難しい投資を、高度な分析を元にまとめて分散投資を行ってくれるのがアクティブ運用ファンドのメリットとなります。上手くいけばベンチマーク以上のリターンが期待できることになります。

また、債券市場の参加者の特徴として、機関投資家が多いということに加えて、昨今は中央銀行など公的機関の存在感も増しています。これらの参加者は経済合理性がない投資行動を取る時があり、その際市場価格に歪みが生じます。

こういった歪みは収益につながりやすく、機械的に決められた取引を行うパッシブ運用ではなく、収益チャンスを常に狙っているアクティブ運用でなければ獲得することが出来ない領域になります。

そして、アクティブ運用ファンドのもう一つメリットは、仮に成績が悪かったとしても、ファンドマネージャーが常に資産を増やそう・守ろうと能動的に動いてくれた結果であり、必要に応じてしっかり説明責任を果たしてくれることから、一定の安心感があることです。

2-2.アクティブ運用債券ファンドのデメリット

上記のメリットと表裏一体なのですが、高度な運用を依頼している分、パッシブ運用ファンドに比べて運用コストが高くなります。また、傾向としては常にリスクヘッジを考えながら運用していることが多く、相場が下落基調の時には損失を抑えてくれる可能性が高い一方で、ベンチマーク自体が右肩上がりの時にしっかり追随出来ているかが不安なポイントになります。

ただし、あくまでも一般的な傾向で、ファンドマネージャーにはそれぞれ相場環境に得手不得手があることから、全てに当てはまるわけではありません。過去の成績の推移と相場環境を照らし合わせて検証すれば、ファンドマネージャーの傾向は分かるかもしれませんが、なかなか難しいため、結局成績が良いファンドに人気は集まってしまいます。

3.債券ファンドの投資対象資産とその特徴

債券投資の対象としては、主に下記7つの資産がありますが、それぞれグルーピングしながら特徴をお話ししていきたいと思います。

  1. 日本国債
  2. 円建て日本社債
  3. 外貨建て日本社債
  4. 先進国国債
  5. 新興国国債
  6. 先進国社債
  7. 新興国社債

3-1.為替リスクの有無と概要

日本国債と円建て日本社債は、円建てのため為替リスクがありません。数年前まで長きにわたり、インカムゲイン※の代表的存在として君臨していました。保有するだけで数%のリターンが保証されていた時代です。

しかし、現在は日銀の低金利政策により、インカムゲインはほぼなくなりました。従ってこれらの商品に投資するのであれば、キャピタルゲイン※を狙いにいってくれるアクティブ運用ファンドを選択した方がメリットは得やすいと考えられます。

※インカムゲイン…保有しているだけで発生する収入のこと
※キャピタルゲイン…資産を売買することで得られる損益のこと

円建て債券よりもリターンを望むのであれば、外貨建て日本社債・先進国国債・新興国国債・先進国社債・新興国社債の外貨建て債券への投資ということになりますが、この場合最も重要なポイントは為替リスクをどうマネージするかということになります。

為替リスクとは、満期日に償還して受け取った外貨建て資産を円に両替する際の為替レートの変動のことです。かなり不安定であるため、多くの方が“為替ヘッジ付き”を選択してしまいます。為替ヘッジ付きを選択した場合、対日本円レートが固定されたような錯覚に陥ってしまいがちですが、実はレートを維持するためにはヘッジコストを債券満期日まで払い続けなければなりません。

昨今の世界的な低金利環境下ではインカムゲインとヘッジコストの釣り合いが取れなくなってきています。リスクを取りたくなく、円預金の代替商品として債券ファンドへの投資をお考えであれば為替ヘッジ付きを選択すればよいのですが、少しでもリターンを得たいのであれば、為替ヘッジなしを選びましょう。

ただし、為替リスクのコントロールは非常に高度なスキルが要求されることから、アクティブ運用に任せた方が無難です。しかし上手くリスクをコントロールできる運用会社は少なく、できれば為替運用の専門部隊が組織の中に存在する運用会社を選びたいところです。

3-2.リスクの傾向

一般的に国債より社債の方が利回りは高くなりますが、デフォルト(債務不履行)のリスクも高くなります。社債は購入単価が高く、発行が不定期であり証券会社によって取り扱いも違うため、個人が直接買うにはハードルが高くなります。

その点、投資信託であれば、少額かつ個人のリスク許容度に応じて様々な商品を選ぶことが可能となりますし、アクティブファンドであれば、例えばリターン重視の方の為に一部劣後債を組み入れたり、財務内容を見ながら比率を落としたりと、能動的にファンドを運用してくれます。

※劣後債…劣後債は、社債を購入した投資家に対しての弁済順位が低い社債です。弁済順位が低いため、企業が破綻などの事態となった場合に損失を被る可能性が高くなりますが、その分利回りが高く設定されています。

・先進国よりも新興国の方が利回りは高くなります。ただし新興国の場合、国債であってもデフォルトする可能性があり、相当慎重に選ぶ必要があります。

まとめ

パッシブファンドは信託報酬は低いのですが、投資する側に知識が必要です。一方で、アクティブファンドはプロに運用をお任せすることが可能ですが、ファンドマネージャーへの手数料分コストは高くなります。

また、ある程度投資経験豊富な方であれば、例えば通常であればリスクが高い新興国投資を、守り重視の戦略でドローダウンを抑えてもらうファンドを選択するという使い方もできます。

ファンドは攻めも守りもどちらの局面でも勝てるのが理想で、優れたモデルを開発したり、四六時中世界中にアンテナを張り巡らせて対応しているつもりでも、常に投資がうまくいくとは限りません。しかし、根本的にはアクティブファンドのファンドマネージャーは顧客の資産を守ろうとしているため、その辺りが感じ取れることはアクティブ運用ファンドの魅力でしょう。

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HEDGE GUIDE 編集部 投資信託チーム

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