新型コロナウイルスが体内に入るとつくられる抗体について、がん患者は健康な人に比べて半分ほどの量で目立って少ないと、国立がん研究センターなどが発表した。治療に使われる薬剤が影響している可能性があるという。感染を防ぐ反応が弱いと懸念されるが、具体的に感染や重症化のリスクが高まるかは不明で、専門の医師は「必要ながん治療は受けるべきだ」としている。
国立がん研究センター中央病院(東京都中央区)に通院中の16歳以上のがん患者500人と、センターに勤務する医師や看護師、技師ら健康な1190人の抗体について、昨年8~10月に測定、分析した。臨床検査機器・試薬メーカーのシスメックス(神戸市)などと共同開発した検査キットを使った。研究開始前に6人のコロナ感染が判明していた。
抗体保有率は、がん患者が0・4%、健康な人が0・42%で差はなかった一方、抗体量を比較すると、がん患者は健康な人の半分ほどで有意に少なかった。
また、1カ月以内に抗がん剤…
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