アスワス・ダモダラン ニューヨーク大学教授が、アクティブ運用・バリュー投資・若い企業の株価評価について、いつものように辛口のコメントを語っている。
アクティブ・ファンド運用者が良い仕事をしたことは一度もない。・・・
彼らは市場よりアウトパフォームすることもできない。
みんな約束事を知っていて、王様は裸だ。
ダモダラン教授が印moneycontrolで、いつものようにアクティブ・ファンドを辛辣にこき下ろした。
アクティブ・ファンドがシェアを失ってきたのは劣るパフォーマンスのためと指摘する。
その本質的な問題点を隠し、パッシブ投資拡大がシェア縮小の理由と、言い訳・負け惜しみをしているという。
ほとんどの運用者は平均回帰によって金儲けをしている。・・・
過去10年、特に2020年、アクティブ投資の中身のなさが暴露された。
私には、どうすればアクティブ投資が過去のように復活するか思いつかない。
アクティブ・ファンドはパッシブと比べはるかに高い運用報酬(率)を得ている。
「平均」でない投資を行い、「平均」を超えるパフォーマンスを上げることを期待されているためだ。
ところが、多くの運用者は「平均」に大きく負けるのを恐れ、投資内容を「平均」に近づけてしまう。
パッシブの何倍もの料率を取っていながら、やっていることはパッシブに似てくる。
これは(一般の投資信託等の)アクティブ・ファンドの多くが成功報酬でなく、預かり資産残高に料率をかけた運用報酬を得ていることと関係している。
彼らにとっての収益最大化は、投資家のリターン最大化とは限らず、預かり資産残高の最大化にある。
ダモダラン教授は、こうした業界の動向を批判しているのだ。
ダモダラン教授は、バリューvsグロースについて尋ねられると、旧来の区別をやめるべきと述べた。
単純に株価指標等に基づくバリュー投資はすでに機能していないためだ。
私のバリュー投資の定義は、株価が価値よりも低いものは何でも買うというものだ。
グロースだろうが成熟企業だろうが私は気にしない。
ダモダラン教授は、PER等が低いことをもって割安とする考えは捨て去るべきと話す。
必要なのは「常識的な投資」だとし、ボトム・アップでの投資検討の重要性を説いた。
「グロース企業が安い可能性もあるし、成熟企業が高い可能性もある。
コロナウィルスによって、状況が変化していることが示された。」
つまり、単純な指標をソートするだけで儲かる銘柄が見つかることはないということだ。
株価評価においては、個々の企業の事業モデルに立ち返り、そこから将来の利益を予想する手続きが必要だという。
これは、多くの投資家にとって大きな負担をともなう手続きだろう。
ダモダラン教授が《バリュエーション学長》の異名をとるのは、とりわけ難しいとされるベンチャー企業・グロース企業についても果敢に株価評価に取り組んできたためだ。
教授は、若い企業を評価するには「その企業のストーリー」を語らないといけないと話す。
そして、そのストーリーを変換して得られる数値を株価評価の入力値にすべきという。
VC業界等に関与したことのある人なら知っていようが、彼らの株価評価モデルはおぞましいほどいい加減だ。
もちろんダモダラン教授もそのことは知っていよう。
それでも教授は妥協を許さない。
多くの人がやりたがらない。
不確実性が多く、しっくりこないためだ。・・・
それでもトライしなければいけないんだ。
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