Pages

Sunday, August 28, 2022

国内株投信、インデックスを上回るアクティブ型は? - 日本経済新聞

資産形成において、長期の積み立てと国・地域や資産クラスの分散は重要なポイントだ。最近は高い成長期待を背景に海外株式型ファンドが人気を集めているが、分散の観点からは国内株式を投資対象に加えることも選択肢のひとつになりうる。そこで、国内株式への投資で中長期的に高い運用成果を上げているアクティブ型(積極運用型)ファンドを探してみた。

国内株式型、10カ月ぶり資金流出

最初に国内株式型ファンド全般について、これまでの人気の浮き沈みを確認しておく。国内公募の追加型株式投資信託(上場投資信託=ETFを除く)のうち、主に国内株式で運用するファンドの資金動向をみると、2022年7月は21年9月以来、10カ月ぶりに資金流出に転じた(図表1)。7月は下旬にかけて日経平均株価が取引時間中に一時2万8000円台を回復する場面があり、国内株式型ファンドは利益を確定するため解約が増加したとみられる。

過去を振り返っても、国内株式型ファンドの資金動向は株式相場の上げ下げに左右されやすい。例えば株価の上昇局面だった16年後半から13カ月連続、20年4月以降は11カ月連続で資金流出超となった。逆に、下落局面だった15年4月以降は7カ月連続で資金流入超となっていた。ただ、最近は株価が軟調なときも資金流入は限定的で、海外株式型の人気に押されている。

インデックスに勝つファンドは半数以下

投資信託は東証株価指数(TOPIX)や日経平均株価などの指数(インデックス)に連動するインデックス型と、それを上回る成果を目指すアクティブ型に分けることができる。実際にインデックス(配当込み)を上回るリターンを上げた国内株式型のアクティブ型ファンドがどれくらいあるか調べてみると、3年と5年のリターンの両方がTOPIXを上回ったのは、全370本中3割弱の102本だった(図表2)。個人投資家が多く保有するインデックス型の連動対象となる日経平均株価と比較した場合は18本のみで、約5%にとどまった。3年か5年のどちらかで上回ったファンドを含めても、対TOPIXで半数に届かなかった。

次に、3年と5年のリターンの両方が日経平均株価を上回った18本のファンドについて、5年リターンの高い順にランキングした(図表3)。首位はアセットマネジメントOneが運用する「企業価値成長小型株ファンド<愛称:眼力>」で、3年リターンが74%、5年リターンが154%と、圧倒的な好成績を上げた。このファンドを筆頭に、アセットマネジメントOneが運用するファンドが18本中5本を占めた。

長いトラックレコード(運用歴)を持つファンドが多く入ったのも特徴のひとつと言えそうだ。ランキング6位の「情報エレクトロニクスファンド」の運用期間は38年、15位の「大型株ファンド」は1961年の設定で60年以上の長きに渡って運用を継続してきた老舗ファンドになる。18本中13本が10年以上のトラックレコードを有するファンドだった。

ファンドを選ぶ際にはある一定期間のリターンだけではなく、様々な局面を含めて中長期にインデックスを上回っているかを確認したい。また、インデックスを上回るリターンを上げていても、極端に純資産総額(残高)が少ないファンドは、繰り上げ償還のリスクがあるので注意したい。運用成績だけでなく、規模や資金動向にも目を向ける必要がある。

(QUICK資産運用研究所 石井輝尚)

Adblock test (Why?)


からの記事と詳細 ( 国内株投信、インデックスを上回るアクティブ型は? - 日本経済新聞 )
https://ift.tt/yr2f1YZ

No comments:

Post a Comment