親にも広がりブレークスルー感染も
カリフォルニア州マリン郡の小学校では、子供たちを新型コロナウイルスから守るために対策を徹底していた。屋内でのマスク着用を義務化、机は約2メートル間隔で配置、生徒らもソーシャルディスタンスを保っていた。 【解説図】どこの席に座っていた生徒が感染したか? 症状が出た席は? しかし、それでもデルタ株は隙をついてきた──。 5月19日、ワクチン未接種のある教師は倦怠感や鼻づまりがあったが、アレルギーのせいだろうと気にせずに授業を開始。いつもマスクを着用していた同教師だが、その日は生徒たちへの読み聞かせの時間だけ外した。 2日後、彼女がコロナ検査を受けて陽性の結果が出た頃には、生徒24人のクラスの半数が感染していた。感染した生徒のほとんどが前から2列目までの席、つまり教師に近い場所に座っていた。 感染拡大はそこでとどまらず、ほかのクラスへ、生徒のきょうだいや両親へと広がり、なかにはワクチン接種済みの人たちまで感染した。 「マスクを外したのは、ほんの一瞬です。数時間とか、1日中とかではありません」と、マリン郡の疫学者トレイシー・ラムハインは言う。「私たちはこの一件を、その教師の誤りだったとして片づけるべきではないと考えています。誰しも気を緩めてしまう瞬間があり、問題はデルタ株がそうした隙を巧妙に突いてくることです」
新学期開始から3ヵ月で75%が感染も
この小学校でのクラスター事例は、米疾病予防管理センター(CDC)によって8月27日に公表された。感染力の強いデルタ株がアメリカ全土で猛威を振るうなか、ワクチン接種対象になっていない12歳未満の子供たちのリスクがあらためて浮き彫りになった。 デルタ株の感染拡大を抑える効果的な対策が取られなければ、状況はさらに悪化するとみられる。CDCが支援するラボが今月に発表したシミュレーションでは、小学校でマスク着用や定期検査が行われなかった場合、新学期開始から3ヵ月で生徒の75%が感染する可能性があると予測された。
11歳以下のワクチン接種はいつ?
こうしたデルタ株の威力を受けて、11歳以下の子供たちへのワクチン接種の承認を早急に求める声が高まっている(アメリカでは現在、ファイザー製ワクチンが12歳以上、モデルナ製が16歳以上に認められている)。 5歳から11歳へのワクチン接種は、秋には承認されるというのが大方の予想だった。ところが、規制機関である米食品医薬品局(FDA)が7月後半になって突然、治験に参加している子供の人数を倍増させるよう製薬企業に求めた。 FDAによれば、心筋炎や心膜炎とワクチンとの関連性について精査するためだという。そのようにワクチン接種後に心臓の筋肉に炎症が起こるのは稀だが、深刻になる可能性もある。主に若い男性にその症状が見られ、子供たちにも影響がないか詳しく調べているところだという。 この治験の拡大を受け、米国立衛生研究所(NIH)や製薬企業らは、子供のワクチンが年内に承認される見通しはほぼなくなったと示唆している。
Ariana Eunjung Cha
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