人的リソースの不足により、十分なネットワーク運用体制が組めない
「ネットワークの運用保守体制をどうするか」――。このことは、企業システムにおける常なる課題の1つといえる。
多種多様な業務データの流通・利活用、社内外とのコミュニケーションなどを担うネットワークは、現代の企業ビジネスに欠かせないインフラである。特に2020年からのコロナ禍では、企業が備えるべきネットワークの姿が大きく変わった。自社にとって最適なネットワーク環境を整備し、それを効率的に管理・運用していくことは、企業競争力を高めるための前提条件になるとさえいえるだろう。
一方、これを阻んでいるのが人的リソースの問題である。ネットワークインフラの運用には様々な技術やノウハウが必要なため、十分なスキルを備えた人材を確保するのは容易ではない。不十分なネットワーク運用体制がボトルネックとなり、ビジネスを遅滞させるケースもある。デジタルトランスフォーメーション(DX)を加速する上でも、パートナーへのアウトソースを含めた高度なネットワーク運用体制を確立することが、企業の重要ミッションとなっている。
そのための取り組みを展開し、成果につなげたのが世界中で広く事業を展開する外資系食品メーカーの日本法人A社である。
同社では以前、グローバルの本社が各国拠点のITインフラを整備・管理していたが、日本事業の分離・売却に伴って急きょ、日本法人自らが東京本社のネットワークインフラの保守を担うことになった。タイムリミットが迫る中、ネットワークに精通した人材を自前で確保し、安定した運用を行っていくのが困難との判断から、同社はNTT Com DDの「プロアクティブ保守サービス(PSS)」の導入を決定。サービス導入により、ネットワークの安定稼働を実現。また従来、自前で実施していたネットワーク機器の疎通テスト・機器テストがPSS監視に置き換わることで、運用管理の手間の削減に貢献。生産性の向上に貢献する業務にあてることができるようになったという。
同社の取り組みと成果について、次ページで詳しく紹介する。
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