文学部アクティブ・ラーニング研究会主催「短歌合戦」
文学部アクティブ・ラーニング研究会が主催する「短歌合戦」が11月4日、名古屋市短歌会館で実施されました。同イベントは、名古屋の歴史や文化を発信する「やっとかめ文化祭」の「まちなか寺子屋」で開催。名古屋を代表する歌人、青木穠子と浅野梨郷が読んだ短歌をテーマに、参加者と学生が歌の感想や魅力について語り合いました。当日は17人の学生が司会やグループ内のファシリテーター(進行役)を務め、15人の参加者とともに短歌の解釈に挑戦しました。
初めに、同研究会の顧問を務める文学部の小塩卓哉客員教授が、明治から昭和にかけて短歌を詠み続けてきた青木穠子と浅野梨郷について「青木穠子は重厚な文体で情緒が感じられる歌風であり、浅野梨郷は写実的な歌が多い」と解説すると、参加者は短歌合戦の参考にしていました。
後半から短歌合戦がスタート。「雨」「紅葉」「家族」といった6つのテーマから各グループ1つ選びます。それぞれのテーマには青木穠子と浅野梨郷の短歌が1つずつ書かれており、そのテーマにおいてどちらがより魅力的か、ディスカッションしました。
学生や参加者は独自の視点から、歌の解釈や詠み手の思い、表現の面白さを分析。「蝉」をテーマとした浅野梨郷の作品に対して、真逆の意見が出たグループがありましたが、話し合った結果「多様な解釈ができることも魅力」との結論が出ました。
最後に、各グループが青木穠子と浅野梨郷の短歌でどちらがより魅力的だったかを発表。グループごとの解釈や豊かな感受性に小塩先生は驚いた様子を見せていました。参加者は「同じ作品でも人によって解釈や感じ方は違うことが短歌の醍醐味だと思うので、相手の批評や感想を聞けてとても楽しかったです」と振り返りました。
学生たちは、本イベントに先んじて各テーマの句について読み込んでいましたが、「自分たちが調べた以上にさまざまな意見が飛び交っていて、まだ解釈や発見の余地があることに驚きました」と、短歌の奥深さと面白さを体感した様子でした。
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