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Tuesday, February 18, 2020

「収入、半分程度に…」アコヤガイ大量死で真珠収穫量急減 生産者から悲鳴上がる - 毎日新聞 - 毎日新聞

育てたアコヤガイを海から引き上げる原条誠也さん=三重県志摩市阿児町立神で2019年12月21日午前7時12分、森田采花撮影

 真珠の主要産地の三重県や愛媛県で昨年夏、養殖に使うアコヤガイが大量死したため、真珠の生産量減少が懸念されている。1年未満の稚貝が多く、真珠の収穫期を迎えるはずだった2021年以降の生産減が深刻化する恐れがあり、生産者から悲鳴が上がっている。

 真珠養殖に異変が生じたのは昨年7月ごろ。1年目の稚貝が大量死し、水産庁によると、昨年9月末時点で生き残った稚貝は三重県内の養殖場では例年の1~5割程度、愛媛県では例年の2~7割程度にとどまった。

国内の真珠生産量の推移

 アコヤガイから真珠が取れるまでは2年以上かかるため、稚貝の大量死によって21年以降の生産が大幅に減る恐れが高まっている。愛媛県は稚貝の緊急生産に乗り出したが、不足分を補うのは難しい状況だ。三重県の養殖業者は通常、稚貝の多くを愛媛県内から調達しているが、2月から三重県が緊急生産する。県真珠養殖連絡協議会の山際定会長は「養殖業者の収入は半分程度に落ち込むかもしれない。稚貝を確保できなければ、休業に追い込まれるケースも出てくる」と危機感を募らせる。

 三重県水産研究所(同県志摩市)が英虞(あご)湾で実施した調査では、18年秋から19年春にかけての海水温が高く、貝のエサとなる植物プランクトンが少なかったことが判明している。同研究所の栗山功主幹研究員は「栄養不足に陥ったことが大量死に影響した可能性がある」と指摘するが、詳しい原因は分かっていない。

 英虞湾では昨年12月から、アコヤガイから真珠を取り出す「浜揚げ」が行われているが、養殖業者からは「貝が死んでいて真珠が取れない」と落胆の声が上がっている。高齢化などに伴い、真珠の養殖業者は減少傾向が続いており、下灘漁協(愛媛県宇和島市)の武部洋安組合長は「今夏も貝の大量死が続けば気力を保てるか不安だ」と話す。

 一方、日本の真珠は香港や台湾で人気が高く、輸出は増加傾向が続いている。しかし、中国で新型コロナウイルスの感染が広がり、3月に香港で予定されていた大規模展示会は5月に延期された。香港で広がるデモの影響もあり、需要の減少が懸念される。東京都内の真珠流通業者は「展示会は商談の場。輸出は香港に依存しており、延期で販売減は避けられない。業界一丸でなんとか危機を乗り越えたい」と語る。【神崎修一、土屋渓】

養殖真珠

 アコヤガイなどの稚貝を1年半程度育て母貝にした後、他の貝の貝殻を加工した球状の核を体内に埋め込む。さらに半年から1年半ほど海中に入れておくと、分泌物によって核の周りに層が形成され、真珠が完成する。

 発祥の地の三重県のほか、愛媛県、長崎県などで生産。国内生産量は1967年に125トンのピークを記録した。だが90年代以降は、高齢化に伴う養殖業者の減少などで生産量も大幅に減り、現在は年間20トン程度で推移している。

 香港などアジアでも人気が高く、日本の水産物輸出額ではホタテに次いで2位の328億円(2019年)。政府は農林水産物の輸出増を目指しており、真珠は輸出戦略の中核を担う存在となっている。

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