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Wednesday, April 21, 2021

聖火ルート 半分に短縮 - 読売新聞

 県内で5月21、22日に予定されている東京五輪の聖火リレーについて、開催規模の縮小を表明している県は21日、大会組織委員会との最終調整案を示し、県実行委員会の総会で承認された。ルートは15市町村で変更され、当初の約31キロから約16キロとほぼ半分に短縮され、鳥取砂丘(鳥取市)は外れた。確定案は28日頃に大会組織委が公表する予定という。(安恒勇気、妻鹿国和)

 最終調整案によると、1日目に聖火が出発する境港市から倉吉市までの10市町村の順に変更はなかった。2日目は当初、湯梨浜町の次はいったん鳥取市に立ち寄ることになっていたが、観光客が多く、「密」になる危険性があるという理由から鳥取砂丘でのリレーがなくなったため、同町から岩美町に移動することになった。

 県内19市町村のうち、ルートが当初の計画通りだったのは境港、米子、倉吉、北栄の4市町。見直された中では、岩美町が約9割短縮されたほか、日野町は町立根雨小のグラウンドを周回するコースとなった。

 ランナーの総数は178人を予定。ルートが短く変更された市町村では、同じ場所を往復したり、複数で一緒に走ったりする。また、著名人については、公道を走らない方向で調整しているという。

 聖火の到着を祝う「セレブレーション」も簡素化。1日目は倉吉市営ラグビー場で、地元住民らが5年前の県中部地震からの復興を願う宣言を行う。2日目は県立布勢総合運動公園(ヤマタスポーツパーク)で、麒麟きりん獅子舞を奉納する。

 リレーの観覧については、3密を回避するため、ルートの沿道に専用エリアを設けた上で、事前申込制にして人数を制限。4月30日~5月14日に県内在住者らを対象に希望者を募る。

 この日の県実行委総会では、最終調整案への異論はなかった。平井知事は総会後、「感染対策に十分配慮した最も簡素な聖火リレーになる。最善策が整い、ホッとしている」と述べた。ただ、県内でも新型コロナウイルスの感染拡大が続き、政府の分科会の目安で深刻な状況とされる「ステージ3」や「ステージ4」に及んだ場合には、「リレーの一層の簡素化や、事実上の中止も視野に入れなければならない」とも語った。

砂丘外れる「仕方ない」

 県内での聖火リレーが1か月後に迫った段階での大幅なルート見直しに、短縮された市町村では様々な声が聞かれた。

 町内を通るルートのスタート地点だった根雨小のグラウンドを周回するだけとなる日野町。当初のルート沿いで店を営む自営業男性(65)は、町民有志と沿道にひな人形を飾り付け、ランナーを迎える計画を立てていたといい、「この辺りは高齢者も多く、コロナのことを考えると、健康第一だと思って諦めるしかないが、非常に残念」と肩を落とした。

 同じくルートから外れた鳥取砂丘の前で土産物店兼レストラン「砂丘フレンド」を経営する山根弘司さん(61)は「鳥取砂丘は県の代名詞。聖火ランナーが走るのは当然だと思っていたが、鳥取市内で感染者が急増している状況では、仕方がない」と話した。

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