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Saturday, April 24, 2021

左脚半分失ったコウノトリに本格義足…「1歩2歩でも進んでほしい」 - 読売新聞

 兵庫県豊岡市の県立コウノトリのさと公園で、左脚を半分失ったコウノトリに「義足」を着ける取り組みが進んでいる。最初は獣医師がおもちゃのバットなどで手作りしたが、義肢装具士の資格を持つ専門学校教員が「何とか歩けるように」と協力を申し出て、本格的な義足製作を始めた。(熊谷暢聡)

 コウノトリは、昨夏に豊岡市内の人工巣塔を巣立った雌。1月下旬、南に約90キロ離れた池で衰弱しているところを保護されたが、左脚の半分が壊死えししてなくなっていた。

 同公園で回復した後、獣医師の松本令以れいさん(46)が野球観戦用のミニバットなどを使い、義足を完成させた。リハビリを繰り返し、両脚でバランスを取って立てるまでになったが、十分にフィットせず、体重を乗せきれない難点があった。

 そんな窮状を知った「神戸医療福祉専門学校三田校」(三田市)の教員で義肢装具士の川上紀子さん(29)が「助けてあげたい」と協力を申し出た。小学4年の頃に交通事故で愛犬が下半身不随となったことをきっかけに、歩行補助器具の重要性を知り、義肢装具士を志した経歴の持ち主だ。

 これまで多くの義足を手がけてきたが、鳥の義足は初めて。石こうで左脚切断部の型を取り、義足を装着する部分はポリウレタンで脚を包む構造で試作品(長さ44センチ)を作り上げた。

 川上さんは今月6日、同公園を訪れ、左脚に義足を装着。コウノトリが左脚に体重をのせ、体を休めるしぐさに「手探り状態で不安もあった。感動した」と涙ぐんだ。今後、不具合の程度を確認しながら、より軽量な義足を完成させる。

 同公園は当面、屋内施設でリハビリを続け、屋外施設に移せるかどうかを検討する。松本さんは「おもちゃで作った義足と違って脚にフィットし、右脚への負担が軽くなるはず。完全に歩くことは難しいかもしれないが、1歩、2歩と動かせるようになると思う」と期待している。

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