「100億人が100歳」という時代に求められるものは?
前回のコラムでも触れましたが、21世紀の後半には世界の人口が100億人に近づき、日本をはじめとする各国で100歳を超える人の割合が増えます。 人類史上、誰も体験したことのない「100億人・100歳時代」が確実に到来します。 ちなみに、三菱総合研究所では創立50周年記念研究として、「これからの50年で目指す未来 『100億人・100歳時代』の豊かで持続可能な社会の実現」を発表しています。 そして、そこには「人間は100歳までどのように健康的に歳を重ねていけるか」、「歳を重ねても自立し活動的でいられるように支援するにはどうしたらよいか」、「健康増進・介護予防を特に高齢者向けにどうすれば強化できるか」、「老年期の生活の質を改善するにはどうしたらよいか」、「高齢者人口の増加で社会保障制度が破綻しないか」という永遠のテーマが含まれます。 逆に言えば、この答えを見つけることができれば、それは「ビジネス」に直結するということです。 ちなみに、「高齢化社会」、「高齢社会」や、「超高齢社会」という言葉には国際的に明確な定義はありません。 「高齢化社会」ということばは1956年の国連報告書において、当時のヨーロッパやアメリカなどの先進国の水準を基準にしながら、人口の7%以上が高齢化した(aged)社会を「高齢化社会」と呼んだことに由来するのではないかと、日本の政府は考えています。 「高齢化率」は国際的に共通の尺度として使用されており、0~14歳を「年少人口」、15~64歳を「生産年齢人口」、65歳以上を「高齢者人口」と分類し、総人口に占める高齢者の割合に応じて定義しています。 高齢化率が7%以上だと「高齢化社会」、14%以上だと「高齢社会」、21%以上だと「超高齢社会」という分類です。 この基準に当てはめると、日本は2018年時点で高齢化率が28.1%あり、すでに「超高齢社会」に突入しているということができます。 一方、私たちを取り巻くアジアは1970年代以降、人口構成や出生率、死亡率の変動に伴って労働力人口の増加率が人口増加率よりも高くなる「人口ボーナス」が進んだ恩恵を受け、持続的な経済成長を実現してきました。 ところが近年、出生率の低下などによりアジアの生産年齢人口の比率は2015年がピークで、減少に転じることが見込まれています。 「高齢化社会」から「高齢社会」になるまでの期間をみると、フランスが115年、スウェーデンが85年、英国が47年という中で、日本は24年という比較的短い期間で「高齢社会」となりました。 アジアについて見ると、シンガポールで17年、タイで22年など、日本以上のスピードで「高齢社会」を迎えた国もあります。 また、ASEANの中では後発であるベトナムでもすでに「高齢化社会」に入っており、国連推計によれば、今後15年くらいという大変速いスピードで「高齢社会」に入ると見込まれます。 ミャンマーも10年後には「高齢化社会」の仲間に入る見込みです。 つまり、このコラムで照準を当てている「ポストSDGs」の時代には、ASEANの後発国も含め、ほとんどのアジア諸国が「高齢化社会」に、シンガポールやタイに至っては「超高齢社会」に突入するのです。 また、アジアの65歳以上は2040年までに7.57億人に達すると見られており、世界全体の高齢者の半分以上を占めることになります(内閣府高齢社会白書参照)。
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