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Wednesday, July 6, 2022

採卵鶏飼料の半分を米に 全農が特許取得 国産給与で付加価値狙う - 日本農業新聞

 JA全農は、採卵鶏向けの配合飼料の半分を飼料用米に置き換えられる技術を開発し、特許を取得した。従来は多くても1割程度だった。水田の維持や飼料自給率の向上につながると期待する。価格は通常の配合飼料より割高だが、国産飼料用米の利用などで鶏卵の付加価値を高められるとの考え。既にこの技術を使った飼料を供給し、生産された鶏卵が販売されている。

 採卵鶏向けの配合飼料は、輸入トウモロコシなどの穀類が半分を占める。全農は、この穀類を全て米に置き換える技術の特許を2020年7月に出願し、今年5月に取得した。

 鶏は、配合飼料の穀類の全てを米に置き換えても栄養面では問題ないと知られている。だが、①卵黄の色が薄くなる②卵の殻の硬さがばらつく③飼料が給餌機の中で詰まりやすい――といった課題から、米を与える場合も配合飼料全体の10%程度だったという。

 全農の技術では、飼料に色素を加え、卵黄の色を、消費者に広く受け入れられる黄色からオレンジ色にできた。通常は米を丸粒のまま加えるが、全農は米を粉砕し、油脂の配合割合を減らすことで、給餌機の詰まりも解消できた。

 この技術を使った飼料の価格は、輸入トウモロコシを利用した通常の配合飼料と比べ、現時点では1トン当たり最大で2000円程度上回る。ただ、色素の量や他の原料の配合を調整すれば、価格差はある程度抑えられるという。

 全農とJA全農北日本くみあい飼料は、東北地方の生産者にこの技術を使った飼料を供給。生産した鶏卵は、飼料の50%以上に国産飼料用米を利用していることをパッケージに記載し、JA全農たまごが関東地方で販売する。全農は「国産の米を食べている鶏の卵として付加価値を高め、高値販売が期待できる」(推進・商品開発課)とする。他の地域でも、同技術を使った飼料の製造を検討する。

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